5Gがさらに進化、住友電工が「5G+」向けGaNデバイス量産へ

  • 0
  • 1
5G向けGaNデバイス

住友電気工業は10月にも、高速・大容量、低遅延の第5世代通信(5G)を進化させた携帯電話通信網「5G+」向けに、窒化ガリウム(GaN)デバイスの次世代品を投入する。5G+で配置される高周波数帯域用の基地局向けに小型化したデバイスを開発し、サンプル提供を始めた。顧客の利用方法に合わせて仕様を作り込み、5G+の運用開始が見込まれる2023年に量産を始める計画だ。

GaNデバイスはGaNを使った高電子移動度トランジスタ(HEMT)で、中継器と呼ばれる基地局設備の中で電波を増幅する。

20年に本格運用が始まった5G向けで販売を伸ばしており、世界の販売シェア7割程度を持つ。GaNデバイスはシリコン製デバイスよりも高周波数帯域で使われるため、通信網が進化してより高い周波数帯の利用が進むと、さらに需要が増える見通しだ。

5G+は、28ギガ―70ギガヘルツ(ギガは10億)といった高周波数帯の通信に対応した「マッシブマイモ」と呼ばれる超多素子の平面アンテナを使い、多数ユーザーの同時接続や遮蔽(しゃへい)物による電波伝搬損失をへらす技術が導入される見通し。信号機が下を通過する自動車と瞬時に情報をやりとりしたり、コンビニなどの小規模店舗で大容量データをダウンロードしたりする利用方法も想定されている。

より小型のデバイスが求められるため住友電工はトランジスタのゲート電極の長さを従来の半分となる0・25マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下にする微細化技術や信頼性を確保する技術にめどを付けた。基地局向け通信機器を手がける顧客と仕様を作り込み、23年から横浜市栄区と山梨県昭和町にある子会社工場で量産する。

日刊工業新聞2020年5月20日

キーワード
5G 住友電工 GaN

関連する記事はこちら

特集