警備会社のSDGs、制服から制服に再生するリサイクルで石油資源を節約

警備業界として大きな環境貢献を目指す

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資源循環を証明するロゴ入りのサーキュラーエコノミーユニフォーム

無料で回収

警備ログ(さいたま市南区)は、警備業界の持続可能な開発目標(SDGs)を推進するという“任務”を帯びた会社だ。長谷川功一社長は身辺警護などを提供するシステムガードサービス(同)の社長が本業。警備業とSDGsは接点が薄いように思えるが「自分なりに勉強した。警備業も取り組める」という思いにかき立てられ、2018年12月に警備ログを立ち上げた。

着目したのが警備員の制服だった。19年4月、制服販売業の高宮(東京都杉並区)と協力し、使い終わった制服の無料回収を始めた。集まった制服は原料のポリエステルに戻して新しい制服に作りかえ、回収した企業に販売する。

循環利用マーク

ポリエステルは石油資源だ。通常、使用済みの制服は産業廃棄物として焼却している。制服から制服に再生するリサイクルなら石油資源を節約できる。警備ログは「サーキュラーエコノミーユニフォーム」と名付け、資源の循環利用を証明するマークも作製した。

「廃棄していた制服をリサイクルに回すことで、警備会社はSDGsに取り組める」(長谷川社長)と同業者に提案する。全国の警備会社9500社に警備員55万人が勤務しており、制服の廃棄は膨大だ。サーキュラーエコノミーユニフォームの採用で「業界として大きな環境貢献ができる」(同)と力説する。

業界に呼びかけ

認知度を高めようと「SDGs防衛団」と名乗るキャラクターが登場するチラシも作った。犬や猫がモチーフのキャラクターたちが「SDGsに取り組んで地球を守るヒーローになろう」と呼びかける。工夫を凝らしたPR効果でサーキュラーエコノミーユニフォームを建設会社が導入した。神奈川県歯科医師会も白衣の再利用として注目しているという。どの業種にも制服は身近であり、SDGsの取り組みとして受け入れやすい。

サーキュラーエコノミーユニフォームを提案する独自キャラクター「SDGs防衛団」

ただし、長谷川社長の視線の先には常に警備業界がある。「警備会社の商品は人(警備員)。人の心が豊かでなければ、質の良いサービスを提供できない」と強調する。しかし警備員は安全や財産を守る職業でありながら、社会的な地位は高くない。「SDGs推進業界として認知され、働く人に誇りを持ってもらい、サービス向上につなげたい」と期待を膨らませる。

SDGs活動を社内にとどめず、業界全体に広げようとする企業は珍しい。警備ログが「警備業界のSDGs推進」の任務を果たすと、警備員の士気も高まる。

日刊工業新聞2020年5月15日

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