コンビニの客単価伸びる!セブンは平均日販65万円超、「巣ごもり需要」も
既存店強化、経営の需要指標に
大手コンビニエンスストア3社の2019年度(20年2月期)の決算発表と同時に、1日当たり店舗平均売上高「平均日販」が出そろった。3社ともデザートの売り上げが増えたが、前年度比は三者三様の結果となった。
金額が一番高いセブン―イレブンの19年度の全店平均日販は、前年度と同じ65万6000円だった。過去最高の66万9000円(11年度)と比べ1万3000円下回るものの、19年度はキャッシュレス化が進み客単価が上昇。総菜やデザート、店頭でいれるカウンターコーヒーの売り上げが好調だった。
ローソンの全店平均日販は同4000円増の53万5000円。19年3月発売のチーズケーキ「バスチー」を中心に、デザートのヒット商品が相次ぎ、「マチノパンシリーズ」も販売を伸ばしたのが主な理由。揚げ物を中心とした食品廃棄を減らすための値引きも、売上高増に寄与した。
ファミリーマートの全店平均日販は前年度比2000円減の52万8000円だった。冷凍食品やデザート、「ポケチキ」などのファストフードが売れて既存店は健闘した。だが新店での売り上げが伸びず、来店客数の減少も響いて前年度比で減額となった。
ファミマは3社の中で唯一、20年度の日販予想を公表し、前年度比7000円減の52万1000円とした。新型コロナウイルスの影響が大きいとみる。
各社は昨年から既存店支援を強化し利益改善を図っているが、平均日販もコンビニの経営にとっては重要な指標。今年度は新型コロナの影響で来店客数が減少する傾向はあるが、「巣ごもり需要」も生まれており、来店や購買意欲をかきたてる商品投入が平均日販を左右することになる。
日刊工業新聞2020年4月15日