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工作機械受注、3月は4割減「新型コロナ収束後を見据えた発注の動きが国内外で出ている」

工作機械受注、3月は4割減「新型コロナ収束後を見据えた発注の動きが国内外で出ている」

ツガミの長岡工場(撮影は繁忙時)

日本工作機械工業会(日工会)によると、3月の工作機械受注実績(速報値)は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、前年同月比40・8%減の773億5500万円と大きく落ち込んだ。18カ月連続の減少。2019年度は前年度比34・9%減の1兆994億4900万円で、2年連続の減少となった。

3月受注は、内需が前年同月比36・5%減の342億3500万円で、16カ月連続の減少。外需は同43・8%減の431億2000万円で、18カ月連続の減少となった。先行きについて日工会では、新型コロナの感染が世界的に広がっていることから、「厳しい状況が続きそうだ」(調査企画部)と見ている。

牧野フライス製作所は受注総額が700億円を割り込んだ。リーマン・ショックなどからの回復期だった13年度以来となる。輸出は、中国の自動車向け受注の低迷に加え、欧米の航空機向け需要も落ち込んだ。同社をはじめ、全社で国内外からの受注が減少した。「12月を底に反転の兆しが見えていたところに新型コロナの影響を受けた」(オークママーケティング室)ことで、営業活動が制限された上に、自動車業界などの顧客の設備投資意欲も低調だった。

今後の動向については「新型コロナ収束後を見据えた発注の動きが国内外で出ている」(同)という声もある。一方、ツガミの西嶋尚生会長は、生産活動が再開した中国市場について「今後も安定するとは言えず、不透明感は漂っている」と警戒を緩めない。


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