数学の超難問「ABC予想」、京大の望月氏がついに解き明かした!
未解決の数学の超難問「ABC予想」を証明したとする京都大学数理解析研究所の望月新一教授(51)の論文について、同研究所の学術誌「PRIMS」が受理した。論文は約8年前に公表され、専門家による審査が続けられていた。
ABC予想は整数A、Bとこれらの和のCを考えた時、それぞれの素因数の積との間に生まれる特別な関係を示したもの。1985年にヨーロッパの数学者2人によって提起された。証明できれば数多くの有名な予想や定理が直ちに導かれるため、「重要かつ困難な未解決問題」とされていた。
論文は2012年に投稿され、インターネット上でも公表された。前提となる概念などの説明も含んだ4編の論文は計約600ページに上り、近くPRIMSの特別号に掲載される。
望月教授は論文で「宇宙際(うちゅうさい)タイヒミューラー理論」という独自の理論を展開。この理論に基づく帰結の一つとして、ABC予想の解決に至ったとしている。
論文審査ではPRIMS編集委員長の望月教授は外れ、他の同研究所教授らが担当した。受理は今年2月5日付。望月教授は研究を始めてから証明の完成まで約20年を要したという。
望月教授は88年、19歳で米プリンストン大学数学科を卒業。博士号を取得後の92年に京大数理解析研究所の助手となり、02年から同研究所教授を務めている。