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ゴミ収集をAIで効率化!発生量を予測し走行距離削減

CO2排出量の削減も

三菱地所は東京・丸の内のオフィスビル26棟でゴミ収集・運搬作業に人工知能(AI)を使う実験を行い、収集車の総走行距離を従来より約57%削減する効果を確認した。二酸化炭素(CO2)排出量の削減を見込む。

AIでビルごとに発生するゴミの量を予測した上で、収集車の積載量や搬出入の方法、作業時間などを考慮。ゴミが発生するすべてのビルを、少ない収集車で効率よく回る経路をはじき出した。

実証実験には、グルーヴノーツ(福岡市中央区)が手がけるクラウド型サービス「マゼランブロックス」を活用。まず過去3年のテナント数や在勤者数、飲食や物販といった種類やその割合を集約した。

さらに可燃や不燃、ペットボトルなど14種類のゴミについて3年分の発生量をまとめ、収集業者が持つ収集車の仕様や収集頻度とあわせて可視化した。

これらのデータとマゼランブロックスが提供する気象データや、地区のイベント情報といったゴミの発生要因を組み合わせ、ビルごと・ゴミの種類ごとに数カ月後に発生するゴミの量を高精度で予測する仕組みを築いた。

ここから最適な収集経路を導き出した結果、収集車の総走行距離と台数、総作業時間のいずれも従来より削減できることが分かった。

三菱地所とグルーヴノーツは今回の実証実験を踏まえ、すでに実際の運用を目指す導入前検証に着手。

ビルごとに異なる収集業者とも協力し、収集業務を効率化することで長時間労働を削減したり、人手不足を解消したりする効果を見込む。

日刊工業新聞2020年4月3日

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