【新型コロナ】新車販売4割減…日系車が米で苦戦、戦略見通し立たず

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インプレッサなどを生産するスバルの米国工場

新型コロナウイルス感染症拡大の影響が米国で日本の自動車メーカーの販売や生産に広がっている。日系メーカー5社の3月の米新車販売台数は前年同月比約4割減少。トヨタ自動車は約4割減り、ホンダやSUBARU(スバル)は半減した。生産では日産自動車が米国工場の稼働停止期間を4月6日から同月下旬まで延期するなど影響が拡大する。日系各社にとって収益の柱となる米国事業で業績悪化への懸念が強まる。

日系5社のうち下落率が最も低かったトヨタは同37%減の13万5730台となった。3月後半に数百の販売店が営業を停止したホンダは、同48%減の7万7153台とほぼ半減した。2月まで増加基調だったスバルは同47%減の3万2611台とマイナスに転じた。マツダは同42%減の1万5664台。半分以上の販売店が販売活動を停止していることが影響した。

四半期ごとに開示している日産自動車は1―3月期の販売が前年同期比29・6%減の25万7606台だった。 生産面ではトヨタが米国、メキシコ、カナダに構える車両・部品工場14拠点で停止期間を4月17日まで延長することを決めた。当初は4月6日の再開を予定していた。ホンダは米国とカナダで車両を生産する6工場の稼働を6日まで停止する。

スバルは海外唯一の生産拠点である米インディアナ州の完成車工場を17日まで停止。日本から北米向けにスポーツ多目的車(SUV)「フォレスター」や、同「XV」などを輸出するが、国内の完成車工場を4月11日から5月1日まで操業日ベースで計17日間止める。米国向けに日本とメキシコから車両を供給するマツダは日本で操業を断続的に停止し、メキシコは3月25日から10日間操業を止める計画だ。

トヨタにとって北米地域は世界販売の3割を占める最大市場で、2019年3月期は274万5000台で着地していた。北米事業は販売奨励金の抑制や固定費の削減といった販売改革の効果が大きく出始めていただけに、来期の業績に暗い影を落としかねない。遠藤功治SBI証券企業調査部長は米国内の日系4社の1台あたりの平均限界利益を100万円と仮定した場合、1カ月の生産停止で約3000億円相当の機会損失につながると試算。新型コロナの影響が収束すれば挽回生産が行われる見通しだが、経済減速や消費停滞などが長引けば「完全にオフセットすることはできない」と指摘する。

日刊工業新聞2020年4月3日

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