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マレーシアに刺股や拘束用具展開、現地でデモンストレーションも

【宇都宮】佐野機工(宇都宮市、佐野公洋社長、028・621・0171)は、マレーシアで防犯用資機材事業の展開を狙い、市場調査を行う。現地の警察関係機関や警備会社などに自社製品の刺股や拘束用具の販売を目指す。2020年内をめどに調査を始め、製品の輸出・販売体制や現地生産など事業戦略を検討する。

マレーシアでは犯罪抑制の機運が高まり、国を挙げて警察の能力向上が図られているという。同国の警察関係者らに警棒や縄を使用した拘束に変わる防犯用具として、刺股や拘束用具の使用を提案する。

現地でデモンストレーションを行い製品の認知度を高め、第1弾としてマレーシア南部ジョホール州警察で実証開始を目指す。

佐野機工は自動車部品の精密加工技術を生かし、11年に栃木県警察と防犯用資機材を共同開発した。オリジナルの刺股や、板バネを巻き付けて安全に身動きを封じる付属品の「ケルベロス」などを展開し、警察や防犯目的で金融機関などに導入されている。

事業計画は国際協力機構(JICA)の「中小企業・SDGsビジネス支援事業」の案件化調査に採択され、調査費は約3000万円を見込む。刺股と拘束用具を合わせた参考価格は11万2000円(消費税抜き)だが、「数量や仕様変更など柔軟に対応し、現地向け価格は低減できる」(佐野仗侊常務)としている。

日刊工業新聞2020年3月27日

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