製造業の不振、サービス業にもじわり影響…内閣府が報告書
製造業の低迷がサービス業にも影響を及ぼすのか―。内閣府がまとめた報告書「米中貿易摩擦下の世界経済と金融政策」によると、製造業が世界的に振るわない中で非製造業が景気を一定程度下支えしているが、やや時間差を伴ってサービス業にも影響を及ぼしつつあり、今後注視が必要としている。
景況感は2018年半ば以降、製造業がサービス業よりも大幅に低下し、19年にはその差が拡大。世界的なバリューチェーンの進展を背景に、追加関税措置など通商問題の緊張に伴う貿易量の伸びの鈍化や。政策的な不確実性が製造業の景況感を押し下げた。
今回の景気減速局面の景況感をみると、製造業は11年8月の欧州債務危機、15年5月の上海株急落より顕著に低下。サービス業も低下したが、過去の減速局面のような大きな特徴はみられない。
製造業では、特に鉱工業生産への影響が大きいとみる。過去2回の減速局面は、局面開始後も緩やかに増えたが、今回はおおむね横ばいで推移していた。
同報告書は中国経済について「米中貿易摩擦の緩和が好影響を与えることが期待されるものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響に注意が必要」と指摘する。
日刊工業新聞2020年3月13日