【新型コロナ】部品供給絶やすな、自動車生産維持へ瀬戸際の攻防

  • 1
  • 0
昨年の上海モーターショーのトヨタ自動車ブース

新型コロナウイルスの感染が長期化する中、国内の自動車生産を維持できるか、瀬戸際の攻防が続く。中国での部品生産の不安定化によってサプライチェーン(供給網)が寸断されぬよう、部品メーカーは完成車メーカーと協力し、代替生産や部材調達先の変更、輸送手段の複数化などあの手この手で対策を打つ。新型肺炎の発生地である中国・湖北省で11日から工場運営を再開できるかが大きな境目となる。

矢崎総業は、中国の工場で生産するワイヤハーネスなどの代替生産を始めた。世界の拠点を活用し供給を安定化する。また、あるステアリングメーカーは、中国で調達する一部部材の生産が不安定化したため仕入れ先を切り替えた。ニッパツは重慶工場(重慶市)で手がけるシート部品を日本に空輸する。通常は船で運ぶが、「空も利用して顧客に確実に届ける」(幹部)。

デンソーなどトヨタ自動車系部品メーカーは一部で代替生産の動きはあるが、足元で供給を維持している。

部品各社の取り組みもあり、ホンダは3月初旬に国内の完成車生産を一時減らすが、その後は「通常生産を維持できる見通しが付いた」(関係者)。トヨタも週ごとに生産計画を精査してきたが、4日、状況が変わらない限り9日以降は通常稼働する方針を決めた。

一方、日産自動車は中国から部品調達の多い九州を中心に国内の複数工場の稼働を一時停止するなど調整中。

「中国から日本への空輸はマスクや医薬品が優先され、自動車部品は後回し」(業界関係者)になるなど難局は続く。湖北省では企業が工場を再開できるのは11日以降だが、再延期の懸念が残る。メーカー関係者は「部品在庫は16日で底をつきそう。11日から湖北省の工場を動かせれば、ギリギリで供給をつなげられる」と祈るように話す。

日刊工業新聞2020年3月5日

関連する記事はこちら

特集