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トヨタ紡織、IoT&AI導入で国内外100工場をスマート化

2030年までに全工場をネットワーク化

トヨタ紡織は2030年までに、国内外の約100工場にIoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)を導入し「スマート工場化」する。各拠点をネットワークでつないで情報を一元管理し、設備の稼働状況の把握や予防保全を実施。収集したデータを活用して生産効率や品質を高める。自動車部品業界では自動運転や電動化など次世代技術の開発競争が激化しており、生産コストを圧縮して投資余力を確保する狙いもある。

猿投工場(愛知県豊田市)内にこのほど完成した「ものづくり革新センター」を中核拠点にして国内外約100工場をネットワーク化しスマート工場とする。トヨタ紡織はシートや天井、カーペット、ドアトリムなど自動車の内装部品が主力で、全工場・各工程の稼働をセンターが24時間監視・制御する。

ラインの稼働をリアルタイムに見える化し、収集したデータを解析する。不具合の兆候などを検知するとセンターが各拠点に発報する仕組み。AIにより最短の労力と時間で問題解決の方法を導き出せるようにする。

20年度から国内工場でIoTやAIの導入を開始し、25年度までに国内外の主要工場へ展開する。30年に全工場をネットワーク化する方針だ。同社は20年度までの3年間で1800億円の設備投資を計画しており、この一部を整備に充てる。

トヨタ紡織は22年度をめどに、関東・東海地区に立地する工場の数を3割削減する方針を打ち出している。当初計画を3年前倒しで進め、構造改革の速度を上げる。工場のスマート化とスリム化の両輪で、最適な生産・供給体制を再構築する。

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日刊工業新聞2020年2月26日

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