デジカメ市場の縮小加速、新型コロナの影響早くも

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中止になったカメラ見本市「CP+(シーピープラス)」(昨年の会場の様子)

デジタルカメラ市場を取り巻く環境は2020年も厳しさを増す。カメラ映像機器工業会(CIPA)が発表した20年のデジタルカメラ総出荷見通しは前年比23・3%減の1167万台と、19年の同21・7%減(約1521万台)からさらに縮小ペースが速くなる。アジア最大規模のカメラ展示会「CP+(シーピープラス)2020」が中止になるなど、新型コロナウイルスの感染拡大による影響も表れ始めている。

レンズ交換式カメラの販売台数について、キヤノンは19年実績で前年比17%減。ニコンは中・高級価格帯に集中する戦略も影響して、19年度は同約27・1%減となる見通し。各社ともミラーレスカメラの拡充が途上にある中で、一眼レフの市場縮小の影響は大きい。

製品ミックスの改善と併せて、生産・販売体制の見直しと最適化が依然として大きな課題。ニコンは中期経営計画最終年度の21年度までに映像事業の運営費を18年度比で500億円削減する構造改革計画を打ち出しているが「(市場縮小が)さらに加速すれば今の計画だけでは不十分な可能性もある」(岡昌志副社長兼最高財務責任者〈CFO〉)。

ここまで健闘してきたミラーレスカメラも正念場を迎えている。19年のミラーレス総出荷実績はCIPA調べで前年比4・4%減。前年に近い規模は維持したものの、これまでの勢いを欠いている。

ミラーレスで高いシェアを持つソニーは、デジカメやテレビ、放送用機器の販売減少でエレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション(EP&S)分野の20年度売上高見通しを19年10月公表比400億円減に下方修正した。オリンパスも映像事業の見通しを引き下げた。

パナソニックや富士フイルムも、19年4―12月期の業績を振り返る中でカメラの販売苦戦を口々にした。一眼レフ利用者の移行がまだ期待できる中・高級価格帯に対して、普及価格帯はスマートフォンの機能向上の追い上げがすさまじい。開発や生産、販売戦略をどのように進めるか各社の手腕が引き続き問われる。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、各社の新製品が集結するCPプラスの中止が決定。個人消費の落ち込みや生産・販売への影響も危惧されているが「まだ全容をつかみきれず、影響があることしか分からない」(キヤノンの戸倉剛常務執行役員)。カメラ市場の冬はまだ続きそうだ。

(取材・国広伽奈子)

日刊工業新聞2020年2月21日

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