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デジカメ販売、ビックカメラとヨドバシで明暗のなぜ

ソニーのセンサー不足が影響。熊本地震後に先を見越して入荷したのはどっち?
デジカメ販売、ビックカメラとヨドバシで明暗のなぜ

需要期の夏休み、秋の行楽シーズンは厳しい状況

 熊本地震の影響による部品不足でデジタルカメラ各社が減産する中、家電量販店各社の販売で明暗が分かれている。思うように商品が確保できない業者がいる半面、地震後も商品を確保した業者もいる。複数メーカーに主要部品のイメージセンサーを供給するソニーはフル生産への復帰が8月末、出荷ベースで震災前に戻るのは10月の予定。需要期の夏休み、秋の行楽シーズンに重なっており、販売店には厳しい状況になっている。

 家電量販店大手ではビックカメラが「熊本地震後に先を見越して入荷していたので、在庫は豊富にある」、エディオンも「地震発生からすぐにメーカーに発注しており、現在はさほど影響が出ていない」としている。

 一方、ヨドバシカメラは「需要の5割しか満たせていない」とし、熊本地震の余震が長期化したことが一眼レフなどの品薄につながったと見ている。また、ある大手家電量販店は「機種によっては品薄になっていたり、発売日をずらしたりといった動きがある」という。同社では種類やメーカーを問わず、ソニーから部品供給を受けている製品には影響が出ている。

 生産面ではメーカーによって差はあるが、地震発生直後にあった在庫が減少し、足元で店頭の供給不足が顕在化してきた格好だ。中でも、スマートフォンに市場を奪われつつあるコンパクトカメラは、世界市場が2割程度減少するのではないかとの声もある。キヤノンが基幹部品を自社生産する機種を増産するなど供給不足を補う動きも出てきたが、増産できない会社も多い。売れ筋機種の優先生産や好調な地域への優先供給の動きも加速しそうだ。
(文=江上佑美子、梶原洵子)
日刊工業新聞2016年7月27日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
ここまで差があったとは驚き。売れ筋の読みなど量販側の受発注システムなど個別メーカーとの関係をもっと知りたい。

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