富士電機が75歳まで雇用延長へ、技能伝承を円滑化

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豊富な経験や技術で65歳以降の社員が活躍(若手を指導する富士電機の巻線道場)

富士電機は工場の高度技能者などを対象に、最高75歳まで雇用を延長する制度を2020年度から整備する。従来は統一ルールがなく、事業所ごとに65歳以降の雇用形態が異なっていたが、業務に応じた処遇の共通指針を策定する。技能伝承を着実に進めて現場力を保つとともに、人生100年時代に向けた多様な働き方を実現する。

富士電機は一般社員の雇用上限の65歳以降も働きたい社員向け雇用ガイドラインをつくった。業務内容に合わせた時給金額ランクを全社共通で設定し、対象者は各事業所と半年単位の嘱託契約を結ぶ。それぞれ週ごとの出勤日数も選べる。

65歳以降の給与水準は公的年金との併給も視野に入れた制度設計にする。これまでのように事業所ごとで処遇に差が出ないように今回制度化を決めた。

現在すでに社内で65歳以上の嘱託社員が約250人、そのうち70歳以上も約40人が働いている。主に川崎工場(川崎市川崎区)と千葉工場(千葉県市原市)で発電プラントや変電設備関係に従事する。現場の技能者のほか、設計などの技術者もいる。安全性・信頼性が要求される発電設備などの設計・製造に高度な技術が必要なほか、現地での据え付け作業にもベテランの経験が求められる。若手への技能伝承は深刻な課題となる。

政府は70歳までの就業機会の確保を新たに企業の努力義務とする法改正案を4日に閣議決定した。今通常国会で成立すれば、早くて21年4月に適用される見込み。健康寿命が延びることで、国も働く意欲のあるシニア世代が継続雇用される環境づくりを積極的に呼びかけている。

富士電機は幹部向け再雇用制度の刷新や、現場技能者の評価制度の見直しなども同時に進めている。社員の活躍を推進する処遇改善に力を入れている。

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日刊工業新聞2020年2月20日

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