ディーン・フジオカさんの熱い想い。故郷・福島のロボット国際大会で結実

ディーン・フジオカさん

「ワールド・ロボット・サミット(WRS)2020」のアンバサダーに就任したディーン・フジオカさんが、インフラ・災害カテゴリーの会場となる福島ロボットテストフィールド(南相馬市)などで15日に開かれた関連イベントに出席した。福島県出身のフジオカさんは「大災害を受けた福島県で、最先端のテクノロジーで活躍するロボットを紹介していく」と力強く語った。

内堀雅雄知事は「WRSで世界から注目される。この機会にロボットへの取り組みを発信していく」と期待を示した。WRSでは4カテゴリーの競技が行われ、福島は8月20―22日の開催。10月8日から11日まで愛知県常滑市で、ものづくりなど3カテゴリーが開かれる。

WRSは世界の高度なロボット技術を集積して競技を通じて技術開発を加速させるほか、人々のロボットへの理解を深めるのを狙いに開催する。競技は「ものづくり」「サービス」「インフラ・災害対応」「ジュニア」の計4カテゴリーで実施。福島では災害時の人命救助や工場の保全に活躍するロボットの競技など、愛知では工業製品の製造やコンビニエンスストアでの作業をするロボットなどの競技が行われる。

「地球規模でよりよい一歩を踏み出せるように」

WRSのアンバサダーに就任した俳優でミュージシャンのディーン・フジオカさん。15日の就任発表会では、地元・福島県の須賀川市出身ということもあり、福島の復興を印象づけるこの国際ロボット大会の成功にアンバサダーとして貢献することへの喜びを率直に語った。また、多言語を駆使し、アジアを中心に幅広い分野で活躍してきたディーンさんならではのグローバルな視点から、「地球規模でより良い方向へ一歩踏み出せるように貢献したい」と意気込みを述べた。

◇◇
-もともとロボットに興味があったのでしょうか。

「小さいときからテレビや映画、アニメ、いろんなところでロボットの存在を感じながら育ってきた世代ですので、そのときの初期衝動はずっとあります。そこから自分が育つと同時に、ロボティクスのテクノロジーがすごい飛躍しました。そして今日、こうして一つの大きなムーブメントにつながり、すごく感慨深いです」

ーロボットのどんなところにワクワクしますか?

「半歩先、一歩先のところという感じ。いろんな分野で世界中から最先端の(ロボット)技術が身近に触れられるいいきっかけですし、それはすごく貴重な体験になります。今現在存在しないものが先に見られる。これから先、どういう世界や未来に向き合うのか、すごく身近に感じられます」

-アンバサダーとして、これからいろんなロボットに触れる機会が増えますが、ロボットに期待することは?

「身近なところだと、小売りのキャッシャーや掃除、教育とかありますが、(中には)人の力だけではどうにもならないこともあると思うんですよ。ロボットのテクノロジーが起こす奇跡というか、大げさかもしれませんが、それくらい人間の手だけではどうしようもない状況を克服できるように進化してくれることにすごく期待しています」

-ところで、WRSの見どころはどこでしょうか。

「僕は福島で生まれました。災害が起こった後のそういうところで活躍するようなロボットやテクノロジーが見どころだと個人的に思います」

「ロボットって、コマンド(命令)があって、レセプト(受容)があって、エグゼキュート(実行)しますよね。原理にのっとっていろんなロボットを皆さん開発していますよね。僕は普段、音楽を作ったり、映像のお仕事をしていますが、機械の技術を使わないと成り立ちません。でも、そこでちょっとしたゆらぎ、それが生み出す“予測不可能な可能性”のようなものも見られたらいいですね」

ー最後に皆さんに一言お願いします。

「この地で、僕は生まれましたが、その後ふらふらとフーテンのような人生を送ってきました。今回、こういう機会をいただき、生まれ故郷であり、母国・日本で日本の今ある最先端のテクノロジーを紹介できることになりました。今、一つの国や地域だけの視野でものごとを進めるのは違うかなと僕は思っています。地球規模で何かよりよい方向へ皆で踏み出せるような、その一員としてアンバサダーとして貢献してきたいです。みなさん、一緒に盛り上げていきましょう!」

WRSアンバサダーのディーン・フジオカさん(右)と応援サポーターの杉本雛乃さん

日刊工業新聞2020年2月17日に大幅加筆

COMMENT

小川淳
デジタルメディア局
編集部部長

アンバサダーにディーンさんが正式に決まり、WRSも本番まであと半年と迫りました。ディーンさんを通じ、国際ロボット競技の意義と魅力が一般の人に広く伝わることを願います。

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