京大と共同研究の成果、ホテル収益を最大化する「変動価格」システム

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フォルシア(東京都新宿区、屋代浩子社長、03・6457・4240)は18日、需給状況に応じた最適な宿泊料金を提案してホテルの収益最大化を支援するクラウド型サービスを始める。各ホテルの過去の実績や予約状況に基づき最適価格を自動で算出し、人手をかけずに機会損失を防げるようにする。京都大学との共同研究を通して構築した。ホテル業界は曜日や季節などに応じた変動価格が定着しているが、価格設定は担当者の経験や勘に委ねているケースがほとんどという。

サービス名は「Prigram(プリグラム)」。価格は1施設あたり月数万―数十万円。ほかに初期費用10万―20万円程度が必要。2021年末までに1000施設での導入を目指す。

プリグラムは部屋タイプごとの最適価格や過去の平均価格、在庫数を表示するほか、在庫の減り具合のペースを5段階で示す。在庫数は実際の在庫に、過去の実績を基に予測したキャンセル数を上乗せした数を示し、各ホテルが戦略的にオーバーブッキングできるようにする。

最適価格は導入施設における過去1年以上の予約や宿泊、キャンセルの実績データから宿泊日までの予約ペースをはじき出し、それを基に算出する。例えば、売り上げの最大化を実現する予約ペースが宿泊日10日前の時点で在庫50室だった場合、実際の在庫が60室であれば割安な価格、40室であれば割高な価格を提案する。予約ペースは同じ施設でも季節や部屋タイプにより異なるが、 2018年に始めた京都大学との共同研究を通して確立した理論により、算出を可能にした。

プリグラムの画面イメージ

需給に応じた最適価格を自動で算出して提案するサービスはこれまでもあったが、競合ホテルの価格やイベント状況などの外部起因も変数として入れた計算式を構築し、算出する仕組みが一般的だったと見られる。これに対し、プリグラムはあくまで各施設のデータに焦点を絞って構築した。

この理由についてフォルシアの担当者は「我々は外部起因を意識するよりも施設ごとの予約ペースの善し悪しを注視した方が最適な価格が算出できると考えている。仮に近隣で前年にはなかったイベントがある場合も予約ペースに影響が及ぶため、結果としてイベントの開催を踏まえた最適価格は算出できるはずだ」と説明する。

今後は同様の算出方法をベースに駐車場や美容室など変動価格の導入が進んでいない業界への応用を目指す。

フォルシアは情報検索システムの開発事業が主力。国内の航空・大手旅行会社が運営する旅行予約サイトの約8割が同社のシステムを導入している。

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日刊工業新聞2020年2月18日記事に加筆

COMMENT

葭本隆太
デジタルメディア局
ニュースイッチ編集長

過去に取材した経験から、変動価格を支援するシステムは外部起因を含む数多くのデータをAIに学習させて、最適価格を算出するものという認識だったので、各施設のデータに焦点を絞った最適価格の算出方法は新しく感じました。すでに前者の仕組みで先行し、複数の顧客を獲得している競合がいる中で、今回の新システムがより高い精度を出し、巻き返していくか注目です。

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