新型肺炎の影響見込まず業績を上方修正したホンダ、工場再開も明らかにしたが…
「長期化すれば影響は出てくるだろう」(倉石副社長)
ホンダは7日、2020年3月期連結決算(国際会計基準)予想の売上高、各利益項目を上方修正したと発表した。売上高は前回(19年11月)予想比1000億円増の15兆1500億円(前期比4.6%減)、営業利益は同400億円増の7300億円(同0.5%増)と前回の減益から一転し増益予想とした。日本での販売台数予想を同1万台増の65万5000台(同8.9%減)に引き上げたほか、為替が円安に触れたことが寄与する。
ただ新型肺炎に関しては「現時点では影響を算定できない」(倉石誠司副社長)として決算予想には織り込んでいない。倉石副社長は「長期化すれば影響は出てくるだろう」と述べるに留めた。
同期予想の当期利益も同200億円増の5950億円(同2.5%減)に上方修正した。ブラジルで税の還付を受けたことも利益を押し上げる。4輪車販売予想は日本は増やす一方、欧州は引き下げ、世界販売は同5000台増の498万台(同6.4%減)に見直した。
同日発表した19年4ー12月期連結決算は減収減益。四輪車の世界販売が380万9000台(前年同期比3.8%減)と落ち込んだほか、為替の円高が響いた。
また決算会見でホンダは中国武漢市にある4輪車の3工場について14日から操業を再開する方針を明らかにした。まず生産ラインの改修工事を実施し、従業員の安全確保やサプライチェーン(部品供給網)の健全性が確認できれば17日以降に生産を始める計画。広東省広州市の四輪車の4工場については10日から操業を始め、徐々に生産量を高めていく方針。中国の4輪車工場では3日分の部品在庫を確保しているという。
日刊工業新聞2020年2月8日