20万人利用のシフトアプリでバイト紹介 狙いは?

hachidoriが新サービス

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hachidori(ハチドリ、東京都千代田区、伴貴史社長、03・6455・7391)は、アルバイト求人サービスを始めた。求人サービスの前にバイトのシフト管理アプリケーション(応用ソフト)を提供。20万人超の働き手が利用している。このシフトの空き時間にあう単発バイトを紹介する。従来の求人広告は露出量を競うが、新サービスは働き手に合わせて仕事を提案する。求人記事の掲載料は1本月額5000円(消費税抜き)。求人市場に価格破壊を起こそうとしている。(小寺貴之)

「正社員の当たり前をアルバイトで実現したい」と伴社長はビジョンを掲げる。能力に応じて時給が上がり、人間関係が築ける職場だ。働き手に長く働くメリットが感じられれば定着率も高くなる。現状は人手不足を受け、働き手が職場を好きに選べる環境にある。バイトを掛け持ちし、よりよい条件を求めてホッピングを繰り返す。伴社長は「働く場所が限られる外国人の方が定着率が高い店舗も多い」と指摘する。働き手が職場に求める条件が上がっている。

そのため求人広告や転職市場は活況だ。「アルバイト求人の市場規模は2012年は1670億円。19年は3000億円を超えるといわれる」(伴社長)。人がとれなければ長期間、広告を載せるため求人費用はかさむ。「求人広告費が膨らみ、飲食店では集客広告費と逆転した。本業のサービスにも影響しかねない」と懸念する。

ただ新卒とは違い、バイトを辞めて次の仕事を探すタイミングが予測できないため、マス広告しか有効な方法がなかった。そこでバイトのシフト管理アプリ「CAST」をリリースした。シフト収集や日程調整を自動化して管理業務を70%削減した。働き手はスケジュール管理や給与計算に利用している。

働き手のユーザーは20万人超。シフトの空き時間や仕事を辞めたタイミングで求人を紹介すれば効率的にマッチングできる。「求人コストを削減して給与に還元できる」。隙間時間に単発バイトを提案し、その評価や実績に応じて時給が上乗せされる。単発バイトで職場の雰囲気を確かめればミスマッチを防げる。採用祝い金の出る長期バイトも探せる。

求人サービス「CAST JOB」として11月にリリース。求人記事の掲載料を1本月額5000円に設定した。「時給1000円のアルバイトが3カ月で辞めると月30時間労働として9万円。対して求人広告に12万円ほどかけている。このままでは保たないことに気が付くはず」と指摘する。新サービスは何人採用しても5000円で済む。求人事業者を増やすため年内は無料にする。1万社の導入を目指す。

アルバイトを探す人よりも、アルバイトで働く人の方が圧倒的に多い。シフト管理アプリでサービスのベースを支え、求人サービスの費用を抑えた。将来は給料の払い込みなどの機能を拡充する。伴社長は「外国人も含めて、アルバイトで働いた実績が評価され、待遇改善や正社員採用につながるサービスにしていきたい」と力を込める。

追記

 人手不足で飲食店では求人広告費が集客広告費を上回り、本業に支障を来たし始めているそうです。求人・転職・人材管理関連のベンチャーはたくさん生まれていて、AIを謳って営業しています。テレビCMも増えました。求人広告も人材ベンチャーも露出量勝負は不毛なのではないかと思います。拡大局面はよくても、縮小局面になると人材大手に競り負けます。大企業がリストラする度に人材・教育コンサルタントが増え、需給が逆転したのではないかと感じたリーマンショック後を思い出します。あと5年この状況が続くとは思えませんが、もし続いたとしたら飲食店や倉庫、工場などは本業を削らないといけないように思います。ロボット業界では事業拡大よりも、事業存続のための自動化を聞くようになりました。国内のロボット投資は旺盛で、海外が落ちても国内は底堅いものがあります。

日刊工業新聞2019年12月27日

COMMENT

小寺貴之
編集局中小企業部
記者

 hachidoriはバイトシフト管理アプリ経由で求人広告やマッチングに価格破壊を起こそうとしています。ベンチャーがそれぞれキーとなるサービスを作っていくのは大変ですが、ここの投資家はよく支えたなと思います。チャットボットもシフト管理も求人マッチングも競争は激しく、レッドオーシャンにビジネスモデルで勝負を仕掛けます。あと数日ですが年内無料なので試しても良いかもしれません。大手人材サービスは求人を出して実力を計っています。

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