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ローソン社長「オーナー加盟店への人材派遣、冠婚葬祭はほぼ100%たが旅行は…」

ローソン・竹増貞信社長インタビュー、人手不足にどう対応しますか?
 ―2月に24時間営業問題が表面化する前から、短時間営業の契約があります。
 「現在、43店のフランチャイズ(FC)加盟店が時短営業を選択している。2月当時、全国開催のローソンセミナーで、加盟店オーナーには24時間営業の考え方を直接伝えた。セミナーに来られないオーナーにはビデオメッセージを送った。今も基本は24時間営業だが、1号店オープン以来44年を経て、オーナーの高齢化や町の過疎化が起こっている。24時間営業ができなくなる店も出ており、個別に応じている。今、約50店舗から時短営業の相談があり、すでに実施済みの店舗と合わせて合計100店舗になる。大半は人手不足が課題だ」

 ―店主による労働組合・総合サポートユニオンを通じて、団体交渉を求められました。
 「これまでもオーナー福祉会などを通じて相談に応じてきたが、7月上旬をめどに加盟店オーナー専用の相談窓口を社外の法律事務所内に作る。社内には専門チームを設ける。本部社員やアルバイト向けの社外相談窓口しかなかったためだ。このほか、秋をめどにオーナーが複数店舗を経営できるようFCパッケージを導入する。店舗が複数あれば、一店が競合にさらされても補える。複数店経営に必要なノウハウをオーナーに伝える。店舗運営を任せられる人材育成に支援金を出すことも検討する」

 ―19年度は店舗数の純増はありませんが、数が増えなくても各店の売り上げが増えれば本部の売り上げも上がります。どのように上げていきますか。
 「奇策はない。お客さまの変化に対応していくしかない。今年は『商品』『笑顔』『トイレ掃除』を最大目標に掲げている。商品は『マチノパン』シリーズや『バスチー』などデザートでヒットが続いている。例えばおにぎりの味も1位のセブン―イレブンさんの味を目指しているわけではない。塩分を減らして、出汁のうまみと具材でおいしさを出す」

 ―加盟店へ人材を派遣するローソンスタッフの状況は。
 「同社はオーナーさんの会社との合弁企業でオーナーの冠婚葬祭時、昨年はほぼ100%人材を派遣対応できた。だが、どうしても人がいない店舗に長期派遣はできていない。オーナーの旅行時にも派遣できる地域もあるが、地域差がある。こうした課題についても解決に向け取り組む」

【記者の目】
 セブン―イレブンとファミリーマートに続いて、ローソンでも団体交渉申し入れが起こった。大手コンビニの中ではオーナーとの対話機会が多かったことから、社内でも動揺が走ったようだ。対応するため、専用の相談窓口を設置するが、これが本当に機能するようであれば、これまでのオーナーとの対話、築いてきた関係が本物だったといえる。
(文・丸山美和)
日刊工業新聞2019年7月4日

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