吹き荒れる「大学改革」の嵐、取り残されていくのはどこだ!?

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大学改革は2019年も激しい風が吹き続けた。統合という最も大きな変化に向け、「1法人複数大学」を可能にする改正国立大学法人法が成立した。これによる第1号は名古屋大学と岐阜大学で、20年度に新法人「東海国立大学機構」の下に両大学が入る。

世界最高水準の教育・研究・社会連携を目指す指定国立大学では、一橋大学が9月に指定を受けた。これで17年度の制度開始から申請の全7大学が指定を受け、高度な独自の改革プランを競う流れが浸透しつつある。

一方、55年ぶりの大学新制度で、専門職大学・短期大学が誕生した。初年度の19年度は国際ファッション専門職大学など3大学だ。専門学校からの転換などに対して設置認可のハードルが高く、絞られた船出となった。

産学連携は学内のオープンイノベーション(OI)機構が本格化し、組織対組織の大型連携が増えてきた。分野は人工知能(AI)やデータサイエンスが大人気。これらに対応できる高度な博士課程学生への資金支援や、大学の収入増が期待できる企業人向け講座など目立つ。

科学技術イノベーションの切り口で、内閣府が文部科学省をバックアップする流れは、18年より強まった。大学経営の好事例を共有し、次の経営幹部を育成する「大学支援フォーラムPEAKS」を内閣府が立ち上げた。

また産学共同研究費や、その間接経費比率など伸ばす努力を後押しする「国立大学イノベーション創出環境強化事業」も、内閣府の設計で開始。採択5大学に旧帝大は含まれず、身軽な中小規模大学が改革リーダーとなる様相が目を引いた。

国立大の運営費交付金は、19年度予算で約1割が評価に基づく傾斜配分という厳しさだが、それ以外の前向きな施策も多々、あった印象だ。さらに21年度からの第6期科学技術基本計画、22年度からの国立大学第4期中期目標期間と、次のタイミングに向けた動きが出てきそうだ。

(文・山本佳世子)

日刊工業新聞2019年12月19日

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