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東大とメルカリが10億円投じ共同研究する「価値交換工学」

東京大学インクルーシブ工学連携研究機構(RIISE)とメルカリの研究開発組織「mercari R4D」(メルカリ アールフォーディー)は、「価値交換工学」で共同研究を始める。モノや情報が持つ価値をウェブで交換する、ブロックチェーン(分散型台帳)や人工知能(AI)などの技術を広く手がける。同大に連携研究部門を2020年1月1日から5年間で設置し、計10億円の研究費を投じる。

研究テーマは価値の分析、生成、交換の三つだ。モノやサービスの価値を希少性や特定の状況を踏まえて定量化したり、価値をより高めたり交換したりするウェブのプラットフォーム技術を取り上げる。仮想通貨など新たな価値交換や信用の仕組みが生まれていることを背景に、既存の学問分野にこだわらず広く研究する。

東大のRIISEは大学院工学系研究科など6部局で19年に設立した連携研究機構。産学連携などにより、インクルーシブ(包摂的)な社会実現に向けた教育研究に取り組んでいる。

メルカリのR4Dは価値交換に関わるAI、ヒューマン・コンピューター・インタラクション、量子コンピューティングなどの研究開発を手がけている。今回は東大との連携で、学術的な基礎技術の確立と、次世代の人材育成に取り組む。

日刊工業新聞2019年12月18日

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