時短容認、柔軟対応へ…コンビニ運営左右する「客の意識変化」

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時短営業の実験をするセブン−イレブン店舗(東京都足立区、3月22日)

2019年は店舗数、収益ともに成長を続けてきたコンビニエンスストアが変革を余儀なくされた。2月に大阪府東大阪市のセブン―イレブンのFC加盟店が、人手不足を理由に深夜休業を強行し、本部と対立したのをきっかけに24時間営業問題が表面化。経済産業省は各社に、加盟店の人手不足や長時間労働を解消する行動計画の策定を要請。社会問題にまで発展した。

コンビニ各社は相次ぎ時短営業の実証実験を開始。大量出店する戦略を見直した。策定した行動計画では、省人化のための無人レジ導入など既存店支援を手厚くする内容が盛り込まれた。

さらに11月以降はセブン―イレブンのFC加盟店8店舗で深夜休業を開始。ファミリーマートは20年3月から、加盟店オーナーが希望すれば、本部の同意がなくても時短営業を認めるところまで踏み込んだ。沢田貴司ファミマ社長は「加盟店ファーストであり、加盟店の意向に我々が合わせる」と説明する。ミニストップは3月から、売上高から原価を引いた粗利益の一定割合をロイヤルティーとして本部に払うモデルを見直し、本部が最終利益を加盟店と分ける新契約を導入する。

時短営業やロイヤルティーの引き下げは本部の収益悪化に直結する。だからこそ本部はかたくなに認めないできた。だが深刻な人手不足で24時間営業が困難となる店舗があまりに多く、さらに世論が本部に厳しい目を向け始めたことで、本部も従来までのコンビニ運営を転換せざるを得なくなった格好だ。

これまでコンビニ各社は「お客さまが24時間365日を願うなら、それに応えていくのが使命」としてきた。だが経産省による利用客への調査では深夜営業が必要と答えたのはわずか9%。客の意識も確実に変化し始めた。今後はFC加盟店の実情に配慮し、客の意識変化も受け止め、柔軟対応ができるコンビニが支持され、生き残る時代に突入する。(取材=編集委員・丸山美和)

日刊工業新聞2019年12月11日

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コンビニ 時短容認

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