川崎重工、水素で世界に先手

液化機や運搬船、一貫開発

建造中の実証用液化水素運搬船

川崎重工業は国際的な水素サプライチェーンの構築に取り組む。水素液化機から液化水素運搬船、荷役基地、水素ガスタービン、ローディングアームなどの関連設備を一貫体制で開発。燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないクリーンエネルギーとして水素が注目される中、先進技術で水素エネルギー社会実現を後押しする。

水素液化機は播磨工場(兵庫県播磨町)で3000時間の連続運転試験に近く着手するほか、12月に神戸工場(神戸市中央区)で水素運搬船の進水式を行い、2020年秋の完成する予定。荷役基地も神戸空港島(同)に建設中で、20年6月めどに試運転などの技術実証に入る。

国の水素エネルギー開発計画は、現時点では日本が世界をリードしている。価格が一般的な石炭の10分の1程度と安価な豪州産の褐炭を利用し、液体水素を大量製造する。30年ごろの商用化に向けて、20年代半ばまでに商用化実証を行う。マイナス253度Cの極低温で体積を800分の1に圧縮して液化水素を作り、ステンレス製二重殻真空断熱容器を採用した運搬船で豪州から日本に運ぶ。

運搬船はパイロット船で、液化水素タンクの貯蔵量は1250立方メートル。荷役基地の貯蔵タンクは2500立方メートル、直径19メートルの大きさ。「実証が終わればただちに商用化の準備に入る」(西村元彦准執行役員)。オランダやノルウェーなど欧州勢も水素利用のロードマップの構築に乗り出しており、国際開発競争が加速しそうだ。

日刊工業新聞2019年11月15日

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