川重が宇宙ゴミ除去参画、宇宙事業で100億円売上目指す

 川崎重工業はスペースデブリ(宇宙ゴミ)除去衛星運用の地上局アンテナを、岐阜工場(岐阜県各務原市)屋上に設置した。アンテナは2020年度に打ち上げ予定の宇宙ゴミ除去実証衛星のコマンド送信やデータ受信のほか、今後参入する衛星データ利活用ビジネスにおいてデータ送受信や解析機能を担う。

 川重の宇宙関連事業の売り上げは18年度で約50億円。実証衛星の操作実験を経て25年度に宇宙ゴミ除去作業を開始し、宇宙事業全体で100億円の売り上げを目指す。

 設置したアンテナは仏サフラン製で、投資額は非公表。20年度に打ち上げる実証衛星は自社製で、60センチメートル四方程度の寸法。

設置したアンテナと下川常務

 宇宙空間には過去に打ち上げられたロケットの残骸や運用停止衛星などで、2万個以上(直径10センチメートル以上のもの)が軌道上を周回しているとされる。実証衛星はこれらを見つけて接近し、捕獲するもので、大型で重いロケット上段のゴミを対象とする。衛星の捕獲には導電性で伸縮する糸状のテザーを使用する。

 衛星事業参入で川重は今後、衛星データ利活用ビジネスを拡大する。アンテナと組み合わせて、さまざまな衛星データの解析結果の提供や衛星に燃料を補給するサービスなどを計画。「これまでロケットのフェアリング(ロケットの先頭部)が事業の中心だった。衛星事業参入でいろいろな新事業が可能になる」(下川広佳取締役常務執行役員)と期待している。

日刊工業新聞2019年10月7日

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。