車走行データをAI解析、損保ジャパンと理研がタッグ
運転特性で安全対策
損保ジャパン日本興亜は、理化学研究所との共同研究で、人工知能(AI)を利用して自動車の走行データを解析する技術を開発した。法人の営業車両のように1台の自動車を複数人が利用する場合でも、走行データを基にドライバーを高精度で識別する。早ければ来年度中にも実用化し、既存サービスの高度化につなげる構え。
スマートフォン用カーナビアプリで収集した約3万6000人分の157万件以上の走行データを基に開発。速度と加速度、位置情報の大きく3要素から個人の運転性向を分析して特定する。精度設定の高低によるが、100人程度ならほぼ100%で識別できる。
事故歴の有無といった異なる属性のグループの移動の軌跡を分析する手法も確立。両技術を活用することで、個人の運転特性に柔軟に対応した安全運転につながるサービス展開が期待される。
損保ジャパンと理研は2018年3月から交通事故予測の機械学習基盤技術に関して共同研究を実施。今回、開発した技術はイタリアや米国のAI関連の国際会議で発表した。
日刊工業新聞2019年11月14日