NTTが披露する「人間の内面をデジタル化」の未来

サイバー上に仮想空間

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ピアノを習った仮想の自分と、水泳を習った仮想の自分が娘の習い事をアドバイスするデモ展示

NTTは14、15の両日、NTT武蔵野研究開発センタ(東京都武蔵野市)で研究開発成果を披露する「R&Dフォーラム」を開く。今回のテーマは、澤田純社長が提唱した「IOWN(アイオン)」構想。通信ネットワークから端末まで光を使うことで、膨大なデータを迅速に処理する同構想を具現化し、スマートシティー(次世代環境都市)を構築する次世代技術を多数展示した。(編集委員・水嶋真人)

娘の習い事を何にするかで悩む主婦の青地さん。英会話を習っていた青地さんのデータにピアノを習っていたという情報を加えた青地さんのコピー、水泳を習っていたデータを加えた青地さんのもう一つのコピーが画面上に現れてアドバイスを始めた―。

会場の一角では、機器だけでなく、人の内面までもデジタルデータ化してサイバー空間上で解析し、現実の人間と異なる経歴を持つ人間を仮想空間に作り出すデモが披露された。

IOWNの世界ではあらゆるモノや人のデジタルデータを人工知能(AI)が収集・分析し、サイバー空間内に仮想の世界を作り出す。

人や車の流れ、ビルや家の電力消費、商店での商品購入推移に加え、人の感情、価値観までもデジタル化されれば、仮想世界上で未来予測をし、効率的な都市計画に役立つ。

 個人レベルでのデジタルデータ化が可能になれば、現実世界の自分が娘と遊んでいる時間に仮想世界の自分がサイバー空間上で会議する時代が到来する。どのような経歴を踏めばどんな性格や価値観を持つ人間に育つかシミュレーションもできる。

遠隔地への通信、仮想現実(VR)など仮想世界との送受信で生じる遅延を感覚的にゼロにする研究の交流をソニーと始めた。例えば、車の運転では、子どもの飛び出しや前方車両の急停車など、注目する対象の動きに着目し、次に起こりうる状態を予測している。先読みする人の脳の内部の時間軸と合わせて映像や音などの感覚的刺激を提供する技術を開発することにより、VR空間内で違和感ない操作を可能にする。

光ファイバーで伝送する微小エネルギーを有効利用して、災害時の通信を確保する研究にも着手した。メタル線を使った電話機“黒電話”の時代は停電でも通話可能だったが、光ファイバー網を使ったひかり電話では停電になると使えない。

まずは、通信用光ファイバー経由で10時間かけて蓄電池にためた電力で1分間の通話を可能にする

日刊工業新聞2019年11月12日

キーワード
青地 光ファイバー

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