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迫る「GSOMIA」の有効期限。四面楚歌の韓国政府、進退窮まる

日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の有効期限が23日0時に迫る中、韓国政府の進退が窮まってきた。協定破棄に関して米国の撤回要求が強まる一方、日本からは譲歩を引き出せず、北朝鮮からも対応を批判され、四面楚歌(そか)にある。韓国は事態の打開に向け、日本との高官協議を模索し始めた。悪化する日韓関係を改善し経済交流を回復できるのか、正念場を迎えた。

6日には米高官が訪韓して韓国外相と会談し、GSOMIAの維持を強く訴えたとみられる。GSOMIAが失効すれば北東アジアの安全保障が損なわれるだけでなく、日韓の外交的な亀裂が深まることを意味する。両国の貿易や観光、投資などが一段と停滞し、産業界に大きな損失につながりかねない。とりわけ韓国は、日本政府の輸出管理の厳格化が経済に多大な影響を及ぼしかねないことを警戒する。

10月以降、韓国は米国の要求にも応じる形で日本に秋波を送り始めた。11月4日には韓国の呼びかけで、文在寅大統領と安倍晋三首相が訪問先のタイで言葉を交わした。韓国側から高官級協議の提案もあった。ただ、日本は元徴用工問題で韓国の国際法違反の状態を是正しない限り、関係改善に応じる意向はなく、対話の場でも基本的原則を伝えたもよう。対韓輸出管理の厳格化も粛々と継続する意向だ。

韓国政府はGSOMIAについて、日本が輸出管理の厳格化を撤回すれば協定破棄を再検討すると主張する。菅義偉官房長官は6日午後の会見で、「輸出管理の見直しは国際ルールに則り、制度を適切に実施する上で必要」とした上で、「協定終了の決定とは全く次元の異なる問題であり、韓国の主張は受け入れられない」と強調した。

みずほ総合研究所の酒向浩二上席主任研究員は「韓国が柔軟になっている印象だ。韓国は対北朝鮮政策がうまくいかず、景気も悪化している。駆け引きはギリギリまで続くが、両国ともに傷口を広げたいと思っていないだろう」と分析する。協定維持の妙案が少ない中、どんな結論を迎えるのか。日韓の産業界も注視している。

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