「5G」めぐる投資家の動きが活発化、懸念はない?

長期的な市場成長に高評価

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 第5世代通信(5G)をめぐる投資家の動きが活発になっている。関連銘柄を組み込んだ金融商品の値動きは堅調で、消費者の関心も高まっているようだ。背景には将来、5G市場が大きく成長すると考えられていることがある。米中貿易摩擦の行方はリスク要因ではあるものの、長期視点での投資対象としては高く評価される傾向が続くとみられる。(取材・斎藤弘和)

将来性高く


 「寄与度の濃淡はあれど、長期目線で5Gに関連しない企業はない」。投資信託「ひふみ投信」を手がけるレオス・キャピタルワークス(東京都千代田区)の藤野英人社長は、5G市場の将来性を高く評価する。

 調査会社の富士キメラ総研(東京都中央区)によると、5G対応基地局の世界市場は2023年に19年比約38・1倍の4兆1880億円に成長。スマートフォンや監視カメラといった5G対応機器の世界市場も23年に同約7・4倍の26兆1400億円に伸びると予測されている。

基準価額上昇


 ひふみ投信は9月末時点で、電気通信設備工事の協和エクシオや半導体製造装置の東京エレクトロンなどの5G銘柄が組入比率上位に名を連ねる。

 三井住友トラスト・アセットマネジメント(東京都港区)は「次世代通信関連 世界株式戦略ファンド(THE 5G)」を展開。「5G関連銘柄の企業業績は堅調に推移しており、基準価額の上昇につながった」(同社)と分析する。設定以来1年10カ月で純資産総額が4000億円を超え、順調に伸ばしている。

 またオンライン証券のFOLIO(フォリオ、東京都千代田区)も、好きなテーマに投資できるサービス「テーマ投資」の一つに「5G」を設定している。「個人投資家だけでなく消費者の間でも5Gへの強い関心がある」(向井忠志ストラテジスト)とし、支持の広がりを期待する。

米中摩擦は懸念


 一方で米中貿易摩擦が5G市場に影響する懸念は残る。THE 5Gの基準価額は19年8月に入って一時的に下落し、その原因はトランプ米大統領による対中関税第4弾の発動表明だとされた。

 ただ三井住友トラストは「企業は貿易摩擦問題の長期化を前提に供給網の再構築など対応を進めていることもあり、世界経済や企業業績が底割れする可能性は低い」と判断。レオスの藤野社長も「5G移行に思いのほか時間がかかり投資回収時期は遅れるかもしれないが、他のリスク要因は特にない」とみる。

 短期的な投機の目線で5Gを捉えた場合、果実を得られるとは限らない。だが「5Gは息の長いテーマになることが予想される」(フォリオの向井ストラテジスト)。長期視点での投資家の動きは今後も続きそうだ。

日刊工業新聞2019年11月5日

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