新しい発想のヒントを提供、日立の「生き物ひらめきカード」とは?

 「新たなアイデアの着想は生物に学べ」―。日立製作所は、システム開発などにおけるアイデア創出を支援するツール「生き物ひらめきカード」を開発した。約40種類の生物が持つ特徴を表したカードにより、既存の発想を打破するヒントを提供する。

 グループワークやワークショップでの活用を見込む。日立の社内用ツールとして利用するだけでなく、社外への提供も視野に入れる。

 砂漠のアリの巣は昼は高温、夜は低温にさらされる。この寒暖差に耐える巣の構造をショッピングモールに応用した事例があるという。粘菌の餌の捕り方から、無駄のないトラックの輸送ネットワーク構築に役立てることもできるという。

 カードの一つ「カエルのカード」には、オタマジャクシの段階では付いている尻尾が、カエルになる段階で消える特性を記す。これはシステム開発に応用すると、プログラムがスパゲティ状態(問題が複雑に絡み合った状態)になるレガシーシステムの解決につながるかもしれないと見込む。

 「あっても困らないなら残しておけ」という考え方から、思い切って「消す」ことを考えるヒントになるためだ。基礎研究センタ日立京大ラボの沼田崇志研究員は「課題を解決する有効策が見つからないのは、既存の考えでは解決できないということ。今までにないものを考える支援ができる」と期待する。

 同カードは日立と京都大学の共同研究の一環。今後は、カードの利用方法も含めた発想支援サービスを提供する方針だ。

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日刊工業新聞2019年10月30日

  

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