単なるEVではないマツダ「MXー30」が最もこだわったこと

パワートレイン開発担当・広瀬専務インタビュー

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「MX―30」
 「第46回東京モーターショー」で電気自動車(EV)「MX―30」を発表したマツダ。電動化よりもまずは内燃機関の効率向上に力を入れてきた同社に、このEVはどのような意味を持つのか。研究開発統括、パワートレイン開発担当の広瀬一郎専務執行役員に聞いた。

 ―位置付けは。
 「『ロードスター』の海外名『MX―5』もそうだが『MX』は新しい価値を追求する製品につける名前。単なるEVではなく、観音開きのドアとも併せて車の新しい使い方を提供したい。乗り味は、今までのマツダ車と変わらない“人馬一体”を追求した」

 「規制対応では、欧州では2020年から一定量のEVの導入が必要になる。水力や太陽光のようにCO2(二酸化炭素)を出さない発電所の割合が高い国では、EVはCO2削減に効果的なのでそうした国で提供する」

 ―電池容量が35・5キロワット時、航続距離200キロメートル(WLTCモード)という点にこだわりがあるようですが。
 「一番重視しているのは真のCO2削減という大義。リチウムイオン電池は製造時に膨大なCO2を排出する。有力な文献からの試算では容量1キロワット時の電池を作るのに163キロワット時の電力が必要。MX―30も新車の時点ですでに3万3000キロメートル走った分のCO2を排出していることになる。航続距離を伸ばすため電池を多く積めばさらにCO2は増える。一方200キロメートルの航続距離があれば市街地の交通には使え、慣れてくればエンジン車ともうまく使い分けられるようになる」

 ―電池の高コストという問題は。
 「期待したほど下がっておらずかなりの原価負担。電池価格は当社だけでコントロールできるものではなく、純粋に製造コストだけで採算に乗せるのはなかなかまだ難しい」
(聞き手=広島・清水信彦)

日刊工業新聞2019年10月29日

キーワード
CO2削減 航続距離 マツダ

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