除光液不要に?産総研、ネイルなどに利用期待の塗装材料の実用化目指す

ジェルネイルを剥離するために近紫外光を照射(産総研、TAT提供)
 産業技術総合研究所機能化学研究部門の山本貴広主任研究員らはTAT(兵庫県西宮市)と共同で、溶剤を使わずに剥がせる塗装用の材料を開発した。液晶を混ぜた樹脂を作製し紫外光を当てると、液晶成分の構造が変化し、塗料材の密着性が低下することを見いだした。溶剤を使わずに剥がせるペンキや被膜材、ジェルネイルなどへの利用が期待される。材料メーカーと連携し、数年以内の実用化を目指す。

 研究グループは、アクリル樹脂やウレタン樹脂などに液晶成分が均一に混じった無色透明の混合物を作製。365ナノメートル(ナノは10億分の1)の近紫外光を10分間照射すると液晶成分の凝集構造が変化し、液晶と樹脂が分離。基材となるアルミニウムと混合物の密着性が、光照射前の10分の1になることを確認した。

 ジェルネイルは爪をきれいに装飾するだけでなく、労働生産性や生活の質(QOL)を向上する効果が期待されている。またスポーツ選手の爪を保護することでパフォーマンス向上につなげる試みもある。

 ジェルネイルは液状の光重合性組成物を爪に塗り、光を当て硬化させ塗膜を形成し爪に密着させる。だが剥がす際に大量の有機溶媒を使う必要があり、ジェルネイルの利用者やネイリストの健康面に対する悪影響が懸念されている。

日刊工業新聞2019年10月29日

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