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腸活はLINEで手軽に続けよう、ベンチャー「ウンログ」の新サービスとは?

腸活はLINEで手軽に続けよう、ベンチャー「ウンログ」の新サービスとは?

うん広報の長瀬みなみさんにサービスの内容を聞いた

 「第六感」は英語で「gut feeling」。そして「gut」は日本語で「腸」。テニスラケットの網の部分のガットはずばりgutであり、実際にかつては動物の腸が使われていた。「ヨーグルトや食物繊維を摂って腸内環境を良好に保つ」というのは古典的な「腸活」だろう。ただ近年、腸はニューロンの多さや身体の重要な神経系と緊密に連絡していることから「第二の脳」と言われるようになり、「腸活は腸内環境にとどまらずカラダを良好にする」という認識が広まった。「gut feeling」はその通りだった。腸活を意識したヨガ教室ができたり、関連食品もスーパー大麦や発酵食品系などジャンルを増やしている。ただ、こういった健康に関する活動は効果を実感するまでに時間がかかることが多く、それまでに離脱する人が多いという。そんな中、「すっきり革命を起こす」をミッションに掲げる腸活ベンチャー・ウンログ(東京都渋谷区、田口たかし社長)が新たなサービスを開始した。(取材・平川透

対話形式で健康情報をやり取り


 ウンログは、健康管理をメッセージアプリ「LINE」上でできる「ウンログ腸活サポート」を開始した。ユーザーは同サービスに食事内容や排便状況を記録することで健康状況を把握できる。腸内環境を整え健康につなげる「腸活」が身近になり関連の健康食品の種類も豊富だが、同社のうん広報・長瀬みなみさんは「効果が現れる前の離脱が多いことが課題だ」と指摘する。同サービスは、ユーザーと対話形式で日常的に情報のやり取りを行い、離脱防止を図る。LINEアカウントがあれば友達登録を行い、無料で利用可能。

 

 「ウンログ腸活サポート」はユーザーが記録した情報を同社が保有する腸や細菌に関するビッグデータをもとに解析し、健康レポートや目標達成状況を返す。排便記録に加えて腸活商品や腸活食材の記録を行うことで、食べたものと腸内環境との関係が実感しやすくなることが特徴だ。同サービスのシステムや解析用データは、同社が2012年から配信しているスマホアプリ「ウンログ」がベースである。現在、アプリは60万ダウンロードに達しており、研究機関や食品企業との協業実績も豊富だ。

 また、同サービスのリリースに合わせ、ネスレの機能性食品「アイソカルサポートファイバー」購入者を対象に「14日間チャレンジ」もはじめる。このチャレンジでは、「ウンログ腸活サポート」のシステムを活用し、毎日bot(自動対話システム)が質問する排便の状態や摂取状況に対してユーザーが回答する。栄養士が監修した「食物繊維チェッカー」を利用することで、腸活の現状と理想像を把握できる。

 

 今後は、「ウンログ腸活サポート」に集まったデータをもとに、どのようなコミュニケーションが継続率を高めるのに効果的かを分析し、サービスの精度を高める。また、企業とのコラボレーションも拡充する。健康食品を提供する企業には、「想定期間以内に購入者が食品の摂取をやめる」「購入後のコミュニケーションが難しい」などの共通課題が存在する。メッセージアプリとして高い普及率のLINEのプラットフォームとウンログの知見を掛け合わせ、健康食品ごとに摂取し忘れの防止や効果の見える化、健康や食事に関する様々な情報提供など行い、ユーザーの健康促進や業界の課題解決を図る。

 腸活成功の秘訣は、結局のところ「食事、運動、睡眠を適切に行うこと」(同氏)に行き着くのだという。フィットネスをやっている方なら実感している人が多いかもしれないが、食事、運動、睡眠をきちんと取り組み成果を出すには、それなりの知識、その時その時の実行力、継続力が必要であり、生活習慣を大きく変えなければならない場合も出てくる。また、健康に関する情報や商品は膨大で、それこそ第六感的に「自分に最適な手法はこれ」と取捨選択するのは難しい。各人に寄り添った上で適切な情報を整理・提供してくれるトータル健康アドバイザー的なアプリなどもニーズがありそうだ。

ウンログ株式会社 https://unlog.co.jp/
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日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
数年前までカップ焼きそば漬けで健康には気をつかっていなかったといううん広報の長瀬さんは現在、同社のオウンドメディア「ウントピ!」やユーチューブチャンネル「ウンTube」で自ら腸活や食事、ダイエットなどの情報を発信中だ。さらには日本発酵文化協会の「発酵マイスター」という資格を取得し、講師などの活動もしている。自分自身が情報の発信源であり、一般的な広報像とは一線を画す面白い方だ。ちなみに、記事中に何度か出てきた「うん広報」は同社の正式な肩書きであり、名刺にも記載されている。長瀬さんが命名者だ。

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