石炭火力の灰堆積を連続監視 中部電がカメラを炉内に

運転トラブル防止に

炉内監視カメラの外観(カメラ退避状態)
 中部電力は石炭火力発電所のボイラの灰堆積を連続監視する技術を開発した。カメラを炉内に常設して監視する。灰の堆積を早期に発見して蒸気噴射ブロワーで除去することができ、巨大で溶融固化した灰の脱落による運転トラブルを回避できる。試験運用で有効性を確認し、導入を進めていく考え。

 カメラは火炎や灰粒子の影響を受けにくい波長3・8マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の中赤外線で測定、15メートル以上先の堆積状況を監視できる解像度を持つ。空冷でカメラを冷却し、高温下で連続監視可能。カメラの温度が警報値を超えると自動でボイラ内から退避する機構を備え、高温ガスから守る。冷却空気の排気でカメラレンズへの灰付着を抑える構造。9カ月間の試験運用では灰がほとんど付着しなかった。

 石炭灰の一部はボイラ上部の傾斜部分に堆積する。通常は粉体状のためブロワーで除去できるが、運転状態によっては灰が焼結、固着してブロワーで除去できなくなる。

 堆積した灰が巨大化して溶融固化した大塊クリンカーになって脱落すると運転トラブルにつながる場合がある。

 運転中のボイラ内は火炎や灰粒子で視界が悪く、灰の堆積状況を確認できない。また堆積の初期段階ではボイラ内の温度や圧力はあまり変わらないため、運転データから堆積を判断するのは難しい。堆積をブロワーで除去できる段階で発見し、トラブルのリスクを減らすためカメラで監視することにした。

日刊工業新聞2019年10月28日(エネルギー)

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