旭化成の自家発電意欲がスゴイ!LNG火力や水力に400億円

インフラを相次ぎ更新、次の100年へ万全期す

 旭化成は2022年までをめどに宮崎県の延岡・日向地区で水力発電所などの自家発電インフラを相次ぎ更新する。保有する水力発電所の大半で発電機や水車を取り換えるほか、液化天然ガス(LNG)火力発電所を新設する。22年に創業100年を迎えるに当たり、発祥の地の工場群を支える基盤をより効率化して次の100年へ万全を期す。

 旭化成は現在、延岡・日向地区に水力発電所9カ所、火力発電所5カ所を保有する。同地区の工場群で使う電力の約90%をまかなっており、安価に供給されるエネルギーが工場の競争力につながる。

 水力発電所9カ所のうち、発表済みの五ケ瀬川発電所(宮崎県・日之影町)など設備の古い6カ所に関して発電機などを更新する方針だ。現在各所で実施している調査の結果に応じて水路や水槽、水管など付帯設備の改修規模を決める。

 大正時代や昭和初期に稼働を始めた発電所もある。効率化とともに、大規模災害に備えた設備の強靱(きょうじん)化を図る。水力発電所の年間発電総量は全体の約33%を占める重要電源で、発電時に二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーでESG(環境・社会・企業統治)経営にも合致する。

 バイオマス火力発電所で木質バイオマスの使用比率を17年度実績の74%から80%まで段階的に引き上げる。残りの燃料は石炭などだ。木質バイオマスは主に建設廃材を利用しているが、異物混入も多く使用拡大の阻害要因となる。調達先の多様化を含めて新たな対策を検討する。

 また、旭化成は同地区にある石炭火力発電所をLNG火力発電所へ更新することを決めた。タンクや内航船受け入れ設備などのLNG基地も整備して、22年の運転開始を予定する。

 一連の自家発電設備の更新費用は総額300億―400億円に上る可能性がある。次の100年を支える事業基盤を固めるため、発祥の地でインフラ整備に重点投資する方針。

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日刊工業新聞2018年12月6日

  

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