NTT東日本が新しい農業エコシティーを作り上げる!

30農場に次世代施設園芸システム導入

AIとIoTで温室栽培を見える化
 NTT東日本は2024年度までに、人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)を用いて広さ1万平方メートル以上のガラス温室を制御する「次世代施設園芸システム」を全国の農業法人が運営する30農場に導入する。地方自治体とも連携し、NTTグループの技術を用いた大規模温室用エネルギー供給システムや物流網を構築。複数の次世代施設園芸業者を誘致した農業エコシティーを形成し、地方創生につなげる。

 7月に設立した次世代施設園芸システム子会社のNTTアグリテクノロジー(東京都新宿区)を通じて提供する。鉄骨製の骨組み、ガラスや硬質フィルムなどの被覆材を用いた大規模温室に複数のIoTセンサーを設置。温室内の温度や湿度、二酸化炭素(CO2)濃度を可視化し、栽培に最適な環境を構築する。このデータや農作物の生育データをAIが分析して収量も予測する。生産計画や販売データ、労務管理、経理などの各種業務データとも連携させ、需給バランスに基づいた生産計画や、人員配置の最適化につなげる。

 NTTアグリテクノロジーは2020年度に次世代施設園芸システムの実証農場を山梨県中央市に新設する。太陽光発電を活用し、面積は約1万平方メートル。オランダなど農業先進国から輸入した次世代施設園芸設備を日本の環境に合わせ、独自のシステムも開発する、24年度までに国内数カ所に実証農場を設置するほか、独自システムの海外展開も目指す。

 農林水産省によると、15年の国内農業従事者数は175万人と30年前に比べて半減。一方、09年の改正農地法に伴い、18年の法人経営体数は約2万3000法人と30年前の7倍に増え、NTT東は次世代施設園芸システムの需要が見込めると判断した。

 NTT東は電話や光回線の企業から地域の社会課題を解決する情報通信技術(ICT)ソリューション企業への変革を打ち出している。農業を通じた地域課題解決への貢献で、24年度に50億円の売り上げを目指す。

日刊工業新聞2019年10月9日

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