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緊張すると運動パフォーマンスが低下する仕組みがわかった

情通機構などが解明
 情報通信研究機構とフランス国立科学研究センターの研究グループは、緊張した時に運動のパフォーマンスが落ちる仕組みを解明した。被験者の脳を機能的磁気共鳴断層撮影装置(fMRI)で計測。行動の目標に向け脳のリソースを割り振る役割を持つ脳の部位「背側帯状回皮質」の活動とパフォーマンスの低下が関わることを明らかにした。さらに同部位の脳活動を抑えることでパフォーマンスの低下を防げた。運動や音楽演奏の際の緊張を抑える訓練法の開発が期待される。

 スポーツや楽器演奏などの複雑な運動でのパフォーマンスが緊張で低下することが知られている。一度無意識化された運動間の流れへの注意が緊張によって増加し、意識することで運動のパフォーマンスが落ちるとされている。だがこのモデルを証明する行動や脳のデータはなく、パフォーマンスの低下を抑える方法は知られていなかった。

緊張による運動パフォーマンスの低下と背側帯状回皮質の活動(発表資料から)
日刊工業新聞2019年10月7日

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