経済効果だけじゃない。ラグビー日本代表が勝ち進むことの意義 

ワールドカップ2019日本大会が開幕!

日本代表のピーター・ラブスカフニ(Photo by Cameron Spencer/Getty Images)
 ラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会の開幕試合として20日、開催国の日本は味の素スタジアム(東京都調布市)でロシアと対戦した。日本が30-10でロシアを下し、勝ち点5を挙げた。

序盤は苦戦も、4トライでボーナスポイント獲得


 日本は試合開始直後、いきなりキックオフのキャッチミスからピンチを招く。再び相手が蹴り込んだボールのキャッチミスから、ロシアにトライを奪われ5点を失う。ロシアがトライ後のコンバージョンゴールを成功し0-7とされた。

 日本代表のリーチ・マイケル主将は試合後の記者会見で「風なのか、プレッシャーなのか、ボールがよく見えなかったのか」と、ゲーム序盤を振り返った。初戦の緊張感からか、日本選手の動きは堅かった。

 前半11分、ラインアウトからの展開でWTB松島幸太朗がトライ。ゴールは外れ5-7に。日本はロシアの低く激しいタックルと、ハイパントの処理にもたつきリズムがつかめず。細かく早いパスのつなぎ、個々の突破では時折、いい攻撃を見せた。

 33分に松島が右隅に飛び込んだが、ビデオ判定の結果ノックオンでノートライ。その後ロシアのゴール前に攻め込んで、前半終了2分前にゴールポスト前のラックから右へ展開し、松島が再びトライを決めた。SO田村優がコンバージョンゴールも決めて、前半を12-7で折り返した。

 後半の日本は3分に相手の反則から田村がペナルティーゴール(PG)で3点を追加し15-7とした。6分に相手ボールを奪ったピーター・ラブスカフニが中央突破してトライ、20-7とした。

 なかなかペースをつかめない日本は20分、ロシアにPGを与え20-10に詰められたが、24分に田村がPGを決め点差を広げた。

 相手陣内に深く蹴り込んだ日本、28分に相手の苦し紛れのキックを確保し攻撃に転じると、松島が三つ目となるトライをマーク。田村に代わって途中出場の松田力也が、コンバージョンゴールを成功。30-10とロシアを突き放し、勝利をたぐり寄せた。
 

日本大会は12都市で開催、インバウンドは50万人見込む


 ラグビーワールドカップは、開催期間が44日間と長期にわたるほか、会場も北海道から九州まで国内12都市と広範囲。経済波及効果は大きく、訪日外国人客(インバウンド)の消費支出効果も大きい。

 公認チームキャンプ地は55カ所61の自治体が関わり、全国的なイベントとなる。海外からの来場者は約50万人に上ると予想され、アジアでも初のW杯だ。ラグビーワールドカップ2019組織委員会は、ラグビーW杯の経済効果を約4300億円と試算する。
記念撮影をする日本とイングランドのファン


 一方で、今回の日本大会は経済面だけでは計れない価値もある。20日の開幕戦前には試合開始の3時間以上も前から、老若男女が国籍を問わす、スタジアムに駆けつけた。ゲートに続く道ではそこかしこで、外国人ファンと交流する日本人の姿が見られた。

 2015年の前回大会までは、日本のラグビー場といえば国際大会といえども、中年以上の男性が大半を占め、女性や子供の姿はまばらだった。それが昨日の開幕戦では親子連れやカップルの姿が目立ち、車椅子に乗って観戦に訪れる国内外の観客もいた。

 試合後の最寄り駅では、混み合うホームにあっても、車椅子の客を先に電車に乗せるファンの気遣いも見られた。今大会は外国出身者が過半を占めるラグビー日本代表が体現しようとしているように、ダイバーシティー(多様性)を日本に根付かせるきっかけにもなりうる。

 ラグビーW杯日本大会は11月2日まで。各地で熱戦が繰り広げられる。

(文=宮里秀司)

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宮里秀司
編集局経済部
編集委員

開会式前には、ブルーインパルスによるデモ飛行も行われました。スタジアム以外にも、各地に無料で入れるファンゾーンがあり、パブリックビューイングなどで盛りあがれるのが、ラグビーW杯のいいところです。

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