送配電部門の分離に向け、東北電力が導入したRPAの成果

年間2万1400時間の労働時間を削減

 東北電力は、2018年度から全社でRPA(ソフトウエアロボットによる業務自動化)を導入している。20年の送配電部門の法的分離に向けて、人手のかかる定型的な事務処理を自動化することで付加価値の高い仕事に人材を振り向け、競争力強化を図る。

 導入に先駆けて17年秋から全社の間接業務を集約したビジネスサポート本部内で人事、総務、経理、資材の19業務で試行を実施。他部署でもパソコンを使った事務処理に活用できると判断した。18年7月に社内連絡会を設置し、各部署の担当者を集めて説明会や対象業務の検討、ベンダーを招いた実機デモ講習などを行い、導入拡大に取り組んできた。

 使用するのは、NTTデータの「ウィンアクター」。複雑なプログラミングが不要で、「システム部門ではなく、実際の業務をよく知る各部署の担当者がロボットを動かすシナリオを作成できる」(ビジネスサポート本部ビジネスサポート企画室の高橋康明課長)利点がある。

 現在は労働時間の集計や会計伝票の発行、資材の発注などの170業務でロボットが稼働する。顧客から過去の電気料金を照会された際に台帳からデータを抽出したり、コールセンターへの入電件数を集計して入電予測に活用したりするなど間接業務以外への適用も進む。

 19年8月時点で前年比2倍以上の年間2万1400時間の労働時間を削減した。対象業務を抽出した結果、約4万時間まで拡大できる見通しだ。

 活用を進めるにあたり、管理者不在の野良ロボット対策も必要だ。作成、廃止時には部門長へ報告することとし、目が行き届かないロボットの発生を防ぐ。また、作成時にはシナリオ設計書を作り、担当者が変わっても円滑に引き継げるようにしている。

 「シナリオ作成には時間がかかるが、それを上回る効果がある」と高橋課長。事務処理が集中する本店に加え、支店や営業所への導入も進める。稼働状況を一元管理しやすくライセンス費用も抑えられる「サーバー型」への移行や、サーバー管理ロボットの導入も検討する。(仙台・苦瓜朋子)

日刊工業新聞2019年10月2日

  

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