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ブラザー工業、RPA全社導入で労働時間70万時間削減

21年3月めど
 ブラザー工業はRPA(ソフトウエアロボットによる自動化)を2021年3月までに全社に導入する。RPAによる処理の高速化や自動化、業務手順の見直しなど導入に伴う改善により、全社の年間総労働時間を現在の1割に当たる70万時間削減する方針。人手不足の中で働き方改革にも対応しつつ、RPAの活用で業務を効率化し、生産性を高める。
 
 ブラザー工業は19年3月期に、RPAを本社の人事、経理、特許の3部門に試験的に導入した。RPA自体の効果に加え、従来は特定の社員が長年任されていた個々の業務の手順を見直したり、現状に合わなくなった社内ルールを変更したりすることで大幅な改善を見込む。両効果が浸透すれば3部門それぞれで12―13%程度、1人当たりの労働時間を削減できると予測している。

 20年3月期は、プリンターや複合機を主力とするプリンティング・アンド・ソリューション事業本部にRPAを導入する。さらに21年3月期には全社に展開する。RPA導入に伴う投資額は数億円の見込み。自社でRPAの機能を拡張できる人材も育て、恒常的に業務の自動化が推進できる体制づくりも目指す。

 同社は近年、全社で残業削減に取り組み、現在の月平均の残業時間は14時間程度にまで削減した。従来手法での業務効率化は限界に近いと判断。RPAと、RPA導入を前提とした抜本的な業務手順や社内ルールの見直しにより、生産性をさらに高める。
日刊工業新聞2019年9月4日

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