24時間営業の「エニタイムフィットネス」がSDGsに取り組む理由

社会とのつながりを増やす「オープンフィットネス宣言」を発表

 台風15号によって千葉県内は広域停電が発生した。断水によって入浴ができない住民のためにフィットネスクラブのエニタイム八街店(千葉県八街市)はシャワールームを無料開放した。エニタイムは各店舗が自主的に地域貢献に取り組んでおり、その経験が今回の対応に生かされた。

 エニタイムフィットネスは米国で2002年に創業し、30カ国で事業を展開する。日本には10年に第1号店を開業し、直営とフランチャイズを合わせて600店まで拡大した。「24時間営業」が他のフィットネスクラブとの違いだ。

中古マシン寄贈


 日本のエニタイム運営会社のFast Fitness Japan(東京都新宿区)営業本部の面木剛ディレクターは「トレーニングマシンだけの24時間営業では、日本では成功しないと言われた」と振り返る。日本ではプールも入浴施設もある総合型が主流。ただし、人口に対するフィットネスの利用は3%で頭打ちが続く。会社勤めだと休日しか利用機会がなく、退会する人も多いからだ。その点、24時間営業のエニタイムは帰宅後にも通えるためニーズに合致し、店舗数を拡大できた。

 ただし、フィットネスが特別な趣味のままだとエニタイムの会員数も伸びない。「(総人口に対する利用者を)3%を10%にしてフィットネスをパブリック(公的)な存在にしようという意識が次第に出てきた」(面木ディレクター)という。そこで18年10月、本業で社会に貢献する国連の持続可能な開発目標(SDGs)を指針とし、社会とのつながりを増やす「オープンフィットネス宣言」を発表した。

 早速、中古トレーニングマシンを離島の沖縄県座間味村に寄贈した。島は各国のセーリング代表チームの合宿地となり、村の活性化に役立った。会員の子ども限定で高校生の利用を無料にし、親子の会話時間づくりにも貢献した。障がい者も健常者と一緒に利用できるユニバーサルデザインの店舗も開設した。

店舗ごとに工夫


 フランチャイズ店にも広がっている。貸し出し用の傘の設置、スクワットができた回数で寄付金が決まるイベントの開催など、各店舗が思い思いに取り組む。活動する店舗ほど地域と接点ができ、業績好調という。「スタッフも仕事が単調でなくなり、何をしようかと考えている」と店舗の変化も感じている。

 営業所や店舗などの拠点を各地に持つ企業が多い。拠点ごとに工夫した地域貢献活動も、SDGsの取り組みとなりそうだ。

車いす利用者も利用できるように段差を設けたトレーニングルーム

日刊工業新聞2019年9月27日

  

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