楽天が筑波大と開発、店頭で商品レビュー読み上げるロボットの効能

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レビューくん。左の子はポジティブ、右の子がネガティブ(筑波大HPより)
 楽天技術研究所と筑波大学は、店頭でEC(電子商取引)サイトの商品レビューを読み上げる「レビューくん」を開発した。自然言語処理でレビュー内容を分析し、いいレビューと悪いレビューの両方を紹介する。購入を迷っているお客は、第三者の評価を聞けると、買っても買わなくても自分の選択への納得感が増す。店舗での顧客体験を高めると期待される。

 店頭でお客が商品のバーコードを読み込ませると、2体のレビューくんが楽天市場の商品レビューを読み上げる。それだけだが利害関係のない第三者の意見は信頼性高く感じる「ウィンザー効果」が働く。レビューくんの容姿はかわいく、合成音声は場を和ませる言葉遣いにした。

 商品配送への注文など、商品に関係のないレビューは自然言語処理で外す。ポジティブな評価とネガティブな評価をそれぞれ公平に紹介する。楽天技研の牟田将史リサーチサイエンティストは「ネガティブなレビューには『洗濯したら縮んだ』など注意点や本質を突く内容が多い」と指摘する。そしてレビューくんが申し訳なさそうに読み上げれば場が和むこともある。

 益子宗楽天技研シニアマネージャー(筑波大学教授)は「ECではレビューの参照は当たり前。実店舗でもあると便利。レジ横でのTips(小技や工夫)紹介にも応用していきたい」と展望する。ネットでありふれたレビュー機能をリアルではかわいく実体化させる。将来はレビューくんに話しかけるとレビューが投稿され、お店とECでシェアできるようになるかもしれない。店舗を超えてレビューでつながる。(小寺貴之)

日刊工業新聞2019年9月20日

COMMENT

小寺貴之
編集局中小企業部
記者

 まずは、かわいく客寄せ効果を期待しつつ、店舗でのポジションを確立しにいくことになると思います。レコメンドやレビュー、Tips(豆知識)はまだ店舗では目新しいものになります。ランキングシステムのように内容が公平であっても、購入へ誘導しているのではないかと消費者が勘ぐってしまう問題がありました。これは慣れてしまえば気にならなくなります。いまは検索のランキングをみてSEOの意図を感じる人は少数派といえます。もう慣れてしまったので、自分の求めていた情報が見つかれば、それで満足といえます。珍しいと感じる間は、提供者側の意図を感じてしまうので、かわいさで懐に入って便利な存在になれれば、将来さまざまな応用が利くと思います。応用が利くと勘ぐる記者がいなくなるくらい当たり前の存在になれるといいですね。

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