日本の工作機械メーカーがハノーバーで見せた「MIT」の技術

DMG森精機、デジタルシフト訴求

 DMG森精機はドイツで開催中の欧州国際工作機械見本市「EMOハノーバー2019」で、工作機械の自動化技術や、出資した米マサチューセッツ工科大学(MIT)発スタートアップ企業の製品を含むデジタル技術を中心に訴求した。工作機械の出展は45台で、うち新製品は例年より少ない2機種にとどめた。「自動化」「デジタル」に経営資源を重点配分する戦略が鮮明だ。

 ハノーバー国際見本市会場の最寄りトラム駅から入場ゲートをくぐり、すぐ目の前にある「ホール2」に入ると、DMG森精機の見慣れた白黒の製品群が目の間に広がる。

 1ホール借り切っての同社の展示は、EMOの風物詩になりつつある。いつもと違うのは世界初披露の新型機の少なさ。工作機械は前回の8機種に対し、今回はパレットチェンジャー付きの5軸加工機「DMU90U duoBLOCK」、欧州向けのターニングセンター「CLX750」の2機種のみだ。

 一方、目立つのは自動化。工作機械45台の出品中、29台が自動機器とのシステム提案だ。設置と操作が容易なロボットシステム「Robo2Go vision」、導入しやすく拡張性が高いロボットシステム「WH Flex」などを紹介。「自動化は現時点の集大成を並べた」(森雅彦社長)と、考えられる自動化技術のすべてを出し切った。

 自動化は人の介在を抑え、正しく、精度良く、品質良く、モノをつくることにつながる。実際の工場には他社の工作機械や装置がある。これらの機械とつながり、さらに意図しない機械停止を防ぐためのメーカーサービスは重要要素だ。これらにデジタル技術を役立てようとしている。

 出品したデジタル関連製品は30点を超える。MITの学生が開発した製造支援システム作成ソフトウエア「チューリップ」のほか、スマート化では通信規格が「MTコネクト」「OPC UA」「umati(ウマティ)」などの機械ともつながるデジタル技術を披露した。

 また、同社の操作画面装置「セロス」のソフトウエア更新を容易にする技術を投入した。従来、独ハイデンハインや独シーメンスの数値制御(NC)装置機での更新は時間を要したが、これを短縮する。
(独ハノーバー=六笠友和)

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日刊工業新聞2019年9月19日

  

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