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フッ化水素メーカーのある関西製造業、韓国問題「悪影響ある」は2割

大商会員など調査、製造業で少し高めの回答も「静観する企業が多い」
 大阪商工会議所と関西経済連合会が12日に発表した会員企業への共同アンケートによると、日本が韓国に半導体材料の輸出管理を強化し優遇国からも外した結果、製造業の20・3%が「悪影響がある」と回答した。全業種では12・9%だった。大商は「輸出手続きが難しくなり一部は影響が出ているが、全般に韓国との取引比率は小さく、静観する企業が多い」(総務企画部)とみている。

 関西は輸出管理が強化されたフッ化水素で高いシェアを持つメーカー2社が大阪に本社を置く。両国関係の悪化に伴う韓国人客減少や日本製品の不買運動も懸念される。ただ、74・7%は「ほとんど影響ない」と答えた。

 一方、「悪影響がある」とした内容(3項目内複数回答)は「韓国内での不買運動の激化による販売の減少」が35・4%で最も多い。「輸出許可の停滞による生産・輸出の減少とそれに伴う売り上げの減少」が31・3%で続く。韓国の電機メーカーが生産ライン新設を止めセンサーを輸出できなくなったり、船舶用ポンプの輸出契約を延期されたりする事例があるという。

 以下は「韓国向け製品の生産・販売調整」が29・2%、「韓国からのインバウンド(訪日外国人)客の減少による売り上げの減少」が25・0%と続いた。業種別でみると、製造業では不買運動による販売減少が41・9%と一番多かった。

 悪影響とした企業の対策(3項目内複数回答)は「韓国以外への輸出・販売の強化」が35・4%とトップ。中小企業は「特段の対応はとらない」が40・0%で最多だった。

 アンケートは8月20日から9月2日まで1613社に調査票で実施した。有効回答は371社。韓国は11日に日本の措置を不当とし世界貿易機関(WTO)へ提訴するなど、両国関係に改善の見通しは立っていない。

日刊工業新聞2019年9月13日

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