ドコモがコスト削減へ決断、携帯基幹網を完全仮想化する

24年度までに

 NTTドコモは2024年度までをめどに、第4世代通信(4GLTE)以降のコアネットワーク(基幹網)を完全仮想化する。通常、各ソフトウエアは専用のハードウエア(装置)上のみで動作するが、ネットワークの仮想化により、さまざまなソフトウエアを共用の汎用装置で動作できるようにする。19年度中にコアネットワークを構成する装置の4割を仮想化し、21年度までに7割に引き上げる。20年に商用化する5Gのコアネットワークも仮想化し、運用コストの3割削減につなげる。

 コアネットワークは、携帯通信網のうち最も重要な大容量通信が可能な回線。携帯電話から発信された音声通信やパケット(データ)通信は無線基地局経由で交換機に送られ、相手先の近隣の交換機から別の無線基地局経由で相手の携帯電話に届く。この交換機同士を結ぶのがコアネットワーク。障害が発生すると通信ができなくなるため、高信頼な技術を用いる必要がある。

 ドコモは05年にコアネットワーク仮想化の基礎研究を始め、15年度に実用化した。従来はコアネットワークを構成するソフトウエアごとに専用の装置が必要だったが、仮想化により、さまざまなソフトウエアを共用の汎用装置上で動作できるようにした。共用装置上の容量を分け合うことで故障発生時の対応を迅速化できる。また通信が混雑した際のつながりやすさも確保しやすくなる。

 ドコモは無線基地局でも最大48アンテナから送られる信号を集中管理できる制御装置も15年度に導入した。無線アンテナと制御装置のメーカーが異なっていても接続可能な技術を持つなど、基地局や制御装置の運用も効率化している。

 10月に携帯電話事業へ参入する楽天は、コアネットワークに加え、携帯電話と基地局との無線アクセス網も含めた完全仮想化を掲げる。端末代金と通信料金を分離した料金プランの導入により、国内携帯各社が通信料金の引き下げに迫られる中、運用コスト削減につながる携帯網の仮想化に向けた動きも活発化している。

             

日刊工業新聞2019年9月11日

  

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