金融サービスでSDGs、オリコのあの手この手

家賃決済保証など

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7月に開いた「サステナビリティ経営セミナー」
 地域経済は少子高齢化や産業構造の変化などで予断を許さない状況にある。地方銀行をはじめとする地域金融機関は低金利環境に伴う預貸業務の利ざや縮小に苦しんでおり、適切な金融仲介機能を果たせなくなる懸念が出ている。地方における多様な課題の解決に向けては、ノンバンクの活躍も期待される。

 オリエントコーポレーション(オリコ)は「持続可能な地域づくりへの貢献」を掲げる。国連の持続可能な開発目標(SDGs)にも関連するテーマと捉え、多様な金融サービスの提供を通じて実現を目指している。

 具体的な商材に、家賃決済保証商品がある。例えば賃貸住宅への入居時に必要な保証人を確保できない消費者に対し、オリコフォレントインシュア(東京都港区)が保証会社となって部屋を借りられるようにする。「単身世帯の増加や高齢化もあり、保証会社をつけて借りることが広まってきている」(オリコの菊地崇治サステナビリティ推進室長)。

 日本賃貸住宅管理協会によると、2014年時点で家賃債務保証会社を使う賃貸人の割合は、10年比17ポイント増の56%だった。オリコの家賃決済保証商品の取扱高も、18年度に前年度比42・7%増の7702億円に伸長した。19年度は同10%程度の伸びを見込む。

 またオリコは、決済インフラの整備や構築が地域活性化に資すると考えている。これまで千葉や広島、北海道といった10エリアで、クレジットカードの利用促進キャンペーンを実施。「各地域で自治体さんを含めた、いろいろな関係性ができつつある」(同)。

 政府が10月、消費増税に伴う経済対策としてキャッシュレス・消費者還元事業を始める予定であるなど、国を挙げてキャッシュレス決済の普及が図られている。オリコは「店舗側は人手不足の解決を考えないといけない。現金を扱う手間を考えると、キャッシュレスの方が全体のコストを抑えられる」(小沢一亮サステナビリティ推進室部長代理)ことも訴求していく考えだ。

 多様な切り口でSDGsの実践を目指すオリコだが、自社内への浸透度合いについては「発展途上」(菊地室長)。そこで7月には本社の役員や部室長、首都圏の支店長といった約100人を対象に初めて「サステナビリティ経営セミナー」を開いた。幹部にSDGsに関する意識を高めてもらい、組織全体へ波及させる狙いだ。今後もこうした地道な活動を続け、一人でも多くの社員の成長を促すことが必要になる。

                     

日刊工業新聞2019年9月6日

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