南海電鉄が事業承継支援に乗り出した理由

家業を担う若者「アトツギソン」開催

 南海電気鉄道が、南大阪・和歌山県域の第二創業支援に乗り出した。沿線企業に活気を取り戻そうと、家業を担う34歳以下の若者を対象に事業アイデア発掘イベント「南海沿線アトツギソン」を初めて開催。イベントやその後の支援を通じ、事業承継や第二創業支援を促す。減少傾向にある沿線人口をつなぎとめる効果が期待される。

 アトツギソンは家業の経営資源を活用して新たなビジネスに挑戦する「ベンチャー型事業承継」を促すため、2018年から大阪市などが開催。3回目となる今回は初めて企業が主催し、沿線企業の若手によるワークショップや事業発表を行った。参加者からは「ビジネス上のつながりと違い、家業の悩みを本気で話せた」と好評だ。

 南海電鉄によると、大阪市を除く沿線自治体の16年の転出人口は転入人口を上回る。地域中小の活性化で沿線の魅力を高め、定住人口の獲得につなげようと、「10年先を見据えて」(山田貴之経営政策室沿線価値創造部課長)アトツギソンの開催を決めた。

 イベント開催を通じ「事業承継や創業支援は行政の仕事だという社内の意識が変わってきた」(同)。イベント後も事例創出を目標に、取り組みを続ける方針だ。

日刊工業新聞2019年9月3日

  

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