起業から事業承継まで視野に入れた新しい学位プログラム

産業技術大学院大学が20年度に開始

 産業技術大学院大学は、2020年度に起業から事業承継までを視野に入れた新しい学位プログラムをスタートする。同大学院大学は東京都が高度専門技術者の育成を目的に開設した大学。都が力を入れる都内中小企業の振興を、教育面からも人材育成し後押しする。

 20年4月に研究科の再編を実施する。19年度中に文部科学省に新しい再編計画の届け出をした上で、学生募集を始める。現在、情報アーキテクチャ専攻と創造技術専攻の2専攻があり、それぞれ情報システム学修士と創造技術修士の学位を授与している。

 20年度からはそれら2専攻を一つに統合した上で、「IT人材」、「創造技術」、「起業・創業・事業承継」の3コースにする。新設する形の「起業・創業・事業承継」に関するカリキュラムの内容や教授陣など詳細については今後詰める。

 都内企業の99%を占める中小企業は現在、事業承継と経営者の世代交代が課題となっている。次代の経営の担い手に、従業員の賃金を抑えて事業経営するのではなく、「合理化した分は従業員給料アップにつなげられることなどを授業で見せ、学んでもらうことで日本の中小企業を活性化していく」(川田誠一学長)のが狙いだ。

 産業技術大学院大学は、東京都が高度専門技術者の育成を目的に06年4月開設、19年4月に開学14年目を迎える。研究者教育ではない工学系分野の社会人リカレント教育拠点として注目されている。昨年夏からは東京都の生涯現役都市の実現に向けた「100歳大学」の取り組みの一環として、「AIIT シニアスタートアッププログラム」も開講し、シニア層の起業に向けた教育プログラムも提供している。

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日刊工業新聞2019年2月21日

  

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