ニュースイッチ

体内時計の時刻合わせが可能になる?!東大がゲノム配列特定

24時間周期のリズム生成
 東京大学大学院理学系研究科の深田吉孝教授らは、約24時間周期の体内時計のリズムを生み出す全遺伝情報(ゲノム)配列を特定した。夜と昼の切り替わりに関わるデオキシリボ核酸(DNA)配列「D―box」が、ゲノムの1490カ所に存在していた。D―boxの制御により、体内時計の時刻合わせができるようになると期待される。

転写・翻訳を介した負のフィードバック制御モデル(東大の発表資料から)

 体内時計に関連する遺伝子が必要な時間帯にだけ転写されることにより、睡眠覚醒リズムなどさまざまな生理現象が約24時間周期で変動することが分かっている。この遺伝子の転写リズムを生み出すDNA配列の一つとしてD―box配列が知られていたが、具体的にゲノム領域のどこで機能しているのか、実際どのような配列なのかなど、詳細は明らかになっていなかった。

 研究チームは、遺伝子の転写因子である「DBP」と「E4BP4」に着目。昼から夜への切り替わりにはDBPが、夜から昼への切り替わりにはE4BP4が関与している。

 DBPとE4BP4が結合するゲノムDNAを次世代DNAシーケンサーを用いて解析したところ、マウスの肝臓から1490カ所が特定された。さらに統計学的な手法により、D―boxとして機能する配列も決定することができた。

編集部のおすすめ