熱中症警戒、現代版「すだれ」「よしず」に脚光

住宅設備メーカーがシェード普及へ

 今夏も各地で発生している熱中症。屋外だけでなく、室内での熱中症も猛威を振るっている。こうした中、LIXIL、YKK APといった住宅設備メーカーが、暑さ対策として日本に昔からある「すだれ」「よしず」の現代版ともいえる「シェード」の普及に取り組んでいる。(高島里沙)

LIXIL、センサー使い実証


 LIXILは熊谷市在住の約30世帯をモニターとして、外付け日よけ「スタイルシェード」の効果測定のための実証実験を進めている。日よけを設置し、室内温度やエアコンの消費電力をセンサーを使って自動測定。モニターは体温や血圧を測る。日よけの有無による外気温と室内温度の検証など効果を測定・分析し、今後の啓発につなげるのが狙いだ。

 LIXILと調査を進める東京大学大学院工学系研究科建築学専攻の前真之准教授は「窓をどの位置に付けるかが重要で、夏の太陽の動きを把握した上で家を設計するべきだ」と指摘する。昨今はコスト削減やデザイン重視で軒やひさしを付けない家が多いという。

 日よけは東と西向きの窓に付けるのがポイントだ。前准教授は「南向きは、軒やベランダがあれば日差しを防げる。西向きに注意が向かない家庭が多い」と分析する。冬の断熱対策とは異なり、夏は簡単に日よけを後付けできるため対策を取りやすい。また余計な日射熱を遮ることで快適性が向上し冷房代節約にもつながる。

YKK AP、複層ガラス活用


 YKK APは、遮熱性の高いLow―E(低放射)複層ガラスによる窓自体の性能向上や外付け日よけ「アウターシェード」による遮熱対策を提案する。シェードはシャッターのように収納できる特徴もある。

 同社は15年頃から高齢者向けの熱中症対策など夏場の窓対策にも注力し始めた。最近は「夜になっても気温が下がらず、熱中症になりやすい」(YKK AP)と、熱中症への警戒を呼びかける。

 室内熱中症の予防には、窓から部屋に入る日差しを遮り、室内温度の上昇を抑える必要がある。今後はどうすれば日差しを防げるか、住宅の設計段階からの工夫も求められそうだ。

日刊工業新聞2019年8月21日

  

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