国内市場は鈍化、住設会社アジア深耕の覚悟

研究開発拠点やショールーム新設相次ぐ

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TOTOのデリーのショールーム
 中国やインド、インドネシアなどアジアに研究開発拠点やショールームを新設する住宅設備会社が相次いでいる。その国や地域のニーズに合わせた製品開発から提案、将来に向けての潜在需要の掘り起こしを進めるのが狙いだ。新設住宅着工数の減少など国内市場が鈍化する中、各社、アジアでの展開を強化している。

先端設備導入


 LIXILグループは1月、中国・上海に研究開発拠点を新設した。先端設備をそろえ、トイレやユニットバスルームなど水回り製品に関する全てのブランドを網羅しながら研究開発に取り組む。潜在ニーズのある中国を含むアジア市場での展開を推し進め、各国の多様なニーズに応えながら製品ラインを増やす。

 新拠点には研究設備だけでなく、ショールームや製品を体験できる空間も設置した。IoT(モノのインターネット)や3Dソフトウエアなど新技術も活用する。上海は日本、北米、ドイツに続く4カ所目の研究拠点となる。

顧客と接点拡大


 TOTOは11日にインド・デリーに初めて直営のショールームを開設した。アジア・オセアニア地域においては、タイ、ベトナムに次ぐ3番目の直営ショールームだ。一般顧客向けのショールーム機能とデザイナーや設計士向けの技術展示を融合したのが特徴だ。顧客との接点拡大や、デリーにおける販売網の活性化、重要プロジェクト案件の提案力強化を狙う。ショールームには、インド市場で人気のある浴槽やトイレ、洗面器を一つの部屋に設置したバスルーム向け商品の最上位シリーズを展示する。

気候に対応


 YKK APは2018年8月にインドネシアのタンゲラン県にR&Dセンターを開設した。富山県、ドイツに次ぐ3カ所目の研究開発拠点だ。今後インドネシアで広がる住宅団地向けに窓の研究を進める。インドネシアは、暑く湿度の高い気候に加え、昼と夜の寒暖差も激しい。欧州とは異なる観点で省エネ構法や通風の調査研究を進めている。堀秀充社長は「住宅団地の増加を見込み、普及品市場の取り込みを狙う。日本の夏も暑く湿度が高いので現地での研究を生かせるだろう」と期待を寄せる。

 各社、新設した拠点を通じて市場のニーズを的確に捉え、アジアでの研究開発の強化や販売網の拡充につなげる。成長が続くアジアで、新たな需要獲得を目指す。

YKK APのインドネシアの実験棟

(文=高島里沙)

日刊工業新聞2019年2月28日

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